アドビ Photoshop Elements 6 for Windows レビュー

豊富なデザイン素材から、オリジナル作品が簡単に作れる「作成モード」

フォトブックやスライドショー、グリーティングカードなどの作品作りは「作成モード」で行い、他のどのモードからでも、パレットの「作成」タブから即座にアクセスできる。
Photoshop Elements 6 の作成モードインターフェイス
作成では、[フォトブック] [フォトコラージュ] [オンラインギャラリー] [スライドショー] [プリント注文] [グリーティングカード] [CD ジャケット] [DVD ジャケット] [CD / DVD ラベル] [メニュー付き VCD] [フリップブック] が利用できる。

従来は別画面で制作手順を追う形になっていたが、Photoshop Elements 6 では「プロジェクト」として管理され、タスクエリアのガイドに沿って作るようになった。

[プロジェクト] からスタートして、作品のレイアウトやデザインをサンプル集から利用したいときは、[アートワーク] に切り替えて操作するという流れになる。

また、これまで制作中にレイヤーパレットが常に表示されていたが、作成タブ内で作業している限り、レイヤーパレットを目にすることはない。レイヤーを理解しているユーザーであれば、テンプレートにはめ込んだ写真の位置や上下関係の変更は操作しやすいが、逆にレイヤーをほとんど知らないユーザーだと、レイヤーパレットがあることで操作を難しく感じさせてしまうこともあった。
写真の位置や上下関係の変更は作業画面上でも可能なので、初心者に馴染めるようテンプレートやデザイン素材、エフェクトサンプルを選んで作っていく手軽さを重視したようだ。
レイヤーを直接操作したい場合は、[編集] タブに切り替えれば、これまで通りレイヤーパレットを利用できる。

テンプレートやデザイン素材は豊富に用意されており、バージョンアップに伴って新しいものが収録されている。年賀状を作る場合でも、昨年とは違ったデザインで作ることができそうだ。

作成モードのタスクエリア

[総 論] 「使える」と「楽しむ」が絶妙のバランス

Photoshop Elements は、これまでもアドビ製品ならではの優れた操作性や Photoshop 譲りの高度な編集機能を備えていたため大きな不満はなかった。今回はインターフェイスや操作性の変更に重点が置かれ、堅実なバージョンアップといえる。

一見すると地味なアップデートに感じられるが、インターフェイスの見直しやガイドを利用した操作面での変更は、実はユーザーにとってメリットとなる重要なポイントなのだ。

先進的で派手な機能を搭載していても、それが使いにくく難しければユーザーにとっては宝の持ち腐れで、いずれ使わなくなってしまう。結果的には利用しない機能にも対価を支払っているわけで、ユーザーにとっては不利益な状態といえる。

かといって、Photoshop Elements はプロ向けの業務用ソフトでなく、「使える」や「作業の効率化」だけでは許されず、「楽しい」も提供しなければならない。
本来、「使える」ということと「楽しむ」ということは必ずしも一致しないのだ。

その意味において Photoshop Elements 6 は、簡単な数ステップで結果は得られつつ、さらに少し手を伸ばせば、より写真の楽しみが広がるといったバランスが上手く保たれている。
本来なら手間のかかる写真の補正や Photomerge 機能に代表される複雑な合成が手軽に行える反面、幅広い RAW ファイルへの対応や Photoshop 譲りの高度な編集機能によって、それが実現されている。

また、Photomerge 機能のように、Photoshop Elements 6 でパノラマや集合写真の編集が可能なことを知っていれば、それを踏まえた上で撮影のスタイルも変わってくるだろう。ソフトウェアの進化が、撮影にまで影響を与えるユニークな機能の搭載も興味深い。

一口に「ファミリー層」や「コンシューマー」といっても、実はユーザーのレベルは様々で、全くのデジタルカメラ初心者からデジタル一眼を使いこなすハイアマチュアまで幅広い。それら幅広いユーザーの要望にも応えてくれる柔軟さを Photoshop Elements 6 は備えている。

仕様・価格

Photoshop Elements 6
Photoshop Elements 6



Adobe Photoshop Elements 6(Windows版):アドビストア価格
通常版 パッケージ製品  14,490円(本体価格 13,800円)
通常版 ダウンロード価格  13,800円
乗換え・アップグレード版 パッケージ製品  10,290円(本体価格 9,800円)
乗換え・アップグレード版 ダウンロード価格  9,800円
アカデミック版  7,140円(本体価格 6,800円)
必要システム構成
インテル Pentium 4、Pentium M、またはインテルCentrino 1.3GHzクラスのプロセッサを搭載したパーソナルコンピュータ
Microsoft Windows XP(Service Pack 2)日本語版、またはWindows Vista 日本語版
256MB以上のRAM(Windows XP: 512MB 以上、Windows Vista: 1GB以上を推奨)
1.5GB以上の空き容量のあるハードディスク
16bit以上のカラー表示が可能なディスプレイ、ビデオカード
1,024x768以上の画面解像度をサポートするディスプレイ
Microsoft DirectX 9互換のディスプレイドライバ
CD-ROMドライブ
Web機能やオンラインユーザガイドを使用するには、インターネットへの接続と、Microsoft Internet Explorer 6、Netscape Navigator 7.0およびMozilla Firefox 1.5が必要
読み込みファイル形式 : Photoshop、BMP、CompuServeGIF、EPS、JPEG、CAMERA RAW、汎用PDF、PCX(.pcx)、Photoshop PDF、PICT、Pixar、PNG、Scitex CT、Targa、TIFF、デジタルネガティブ(DNG)など
書き出しファイル形式 : Photoshop、BMP、CompuServeGIF、EPS、JPEG、PCX(.pcx)、Photoshop PDF、PICT、Pixar、PNG、Scitex CT、Targa、TIFF、デジタルネガティブ(DNG)など
ご注意: 上記必要システムは、本製品をインストールするための最低必要なシステム要件です。お使いのオペレーティングシステムや環境などにより異なる場合がありますのでご注意ください。

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H-lab:山地啓之)
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