アドビ Photoshop CS3 Extendedレビュー

Web 上で高解像度画像を効率的に表示できる Zoomify

Zoomify
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(※要 Adobe Flash Player
Web で写真を公開する場合、画面サイズやダウンロード時間を考慮すれば、ほとんどのケースで解像度を落とさなければならない。新しい Zoomify 機能を利用すれば、解像度を落とすことなく Adobe Flash Player で拡大・縮小表示が可能なビューワー機能を持つイメージとして書き出すことができる。書き出されたファイルは、HTML、JPEG、SWF ファイルなどからなり、Dreamweaver などを使ってWebページに埋め込む。Zoomify は、ちょうど Photoshop のナビゲータパレットに似た操作性で、見たい部分をドラッグして移動したり、クリックやスライダの操作で拡大・縮小表示ができる。画像はタイル状に分割されていて、ドラッグ操作で表示に必要な部分のみ随時読み込まれるので、ネット回線環境が厳しい閲覧者にも負担が少ない。
本来このようなインターフェイスを含むイメージの作成には、Flash を使って複雑なスクリプトを組まなければならないが、Zoomify による書き出しであれば、そのような知識も作業も必要なく、簡単にビューワー機能を持つイメージを実現できる。
写真作品の公開や、商品説明など幅広く利用することができるだろう。

モバイルデバイス用コンテンツ作成をサポートする Adobe Device Central CS3

Adobe Device Central CS3
Photoshop CS3 では、これまでの「Web用に保存」が、「Webおよびデバイス用に保存」となり、Adobe Device Central CS3 で携帯電話などのモバイル向けコンテンツの検証と最適化作業が可能となった。
Adobe Device Central CS3 では、デバイスライブラリから対象機器を選択することで、機器ごとの機能と制約を反映した上で、Flash Lite エミュレータでプレビューとテストができる。デバイスライブラリには、今後新しい端末の情報も提供される予定だ。
Adobe Device Central CS3 は Photoshop CS3 からの起動でなく、単独で起動することもできる。

計測、画像解析など、より専門性の高いツールを搭載

ものさしツール
Photoshop CS3 Extended には、建築、医療、研究分野向けのツールとして、画像の解析や計測機能が搭載されている。
新たに追加されたものさしツールは、あらかじめ縮尺単位を決めておくことでドラッグ操作により、直線距離と角度を計測することができる。
また、カウントツールはクリックごとに連番されたカウントが表示され、正確なカウントが可能だ。
さらに選択範囲を元に高さ、幅、外周、面積などの計測も可能だ。計測結果はログとして記録され、テキストやカンマ区切りファイル(CSV)といったフォーマットで書き出すことができる。
カウントツール
カウントツールを使った、カウントの様子
医療画像の標準フォーマットである DICOM ファイルにも対応し、ファイルに注釈を付けたり、患者を特定するためのメタデータの削除、プレゼン用に JPEG への変換など、様々な処理を行うことができる。
Photoshop CS3 Extended には、ほかにも医療現場での利用を考慮した機能が搭載されている。

画像のグループ化、フィルタ機能により検索性が向上した Adobe Bridge CS3

Adobe Bridge CS3 インターフェイスの初期設定は、検索に便利なディレクトリおよびフィルタ項目、サムネール一覧、画像のプロパティを表示する三分割になっている。これは、ワイド画面での作業環境が広がりつつある状況を反映してのことだろう。
Adobe Bridge CS3
ワークスペース

インターフェイスは三分割以外に、従来からのライトテーブル、フィルムストリップなどに変更可能で、よく利用するタイプを3つまでワークスペースとして登録することができる。
もちろんコンパクトモードとして、ウィンドウを小さく畳んで画面の隅に片付けることも可能だ。その際の伸縮する動作もキビキビしており、ストレスがない。

画像の撮影データは、一眼レフの表示パネルを模した形式になり、一目で判断しやすくなった。これらメタデータは表示させる項目をカスタマイズして、テンプレートで残すことができる。
画像の検索ではフィルタが利用できるようになり、ラベル、レーティングのほか、画像形式や作成日などをクリックするだけで条件付けが可能で、絞り込み検索が瞬時に行えるようになった。
また、下層フォルダに納められた画像も一覧することが可能で、今いる階層と下層フォルダにある画像を混在して表示できる。
撮影データ
フィルタ
一眼レフのような表示パネルに、撮影時のデータが表示される。 項目をクリックするだけで、条件に応じた絞り込み検索が行えるフィルタ。
Bridge CS3では、複数の画像をグループ化して「スタック」としてまとめることができるようになった。感覚としては同じような画像を複数重ねてまとめている状態だ。
重なっているとどんな画像がまとめられているか判りにくいが、10枚以上の画像をスタックにまとめた場合は、パラパラマンガのように画像を次々と表示して確認することが可能だ。
スタック
ズームツール
再生ボタンもしくは、スライダをドラッグすることでグループ内の画像を閲覧可能。表示している前後の画像を半透明表示するオニオンスキンも使える。 複数の画像を同時にプレビュー可能で、ズームツールで細部の確認もできる。
選択した画像のプレビュー上では、ズームツールが使えるようになり、クリックすると、拡大表示されたボックスが現れる。ボックスはドラッグして拡大箇所を移動可能で、あらかじめ複数の画像の選択しておけば、それぞれを部分的に拡大して比較することができる。
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