さぬきうどんデジカメレポート 食べたくなったらベルメゾンネット
名店の数々
第四回 池内
第三回 兵郷
第二回 がもう
第一回 讃岐の里

讃岐うどん魂
文・写真:うんとん
香川で生まれ育った生粋のうどん好き。現在は関西に住むが、帰省の際にはうどん店巡りを欠かさない。

第二回 がもう
 

 子供の頃、週末になると家族揃っての外食はうどんだった。たまにはレストランでお子様ランチを食べたいと子供心に不満はあったが、そのような環境で培われたからこそ今のうどん好きな私があるのは確かだ。

 現在の全国的なうどんブームになる以前から、がもう(蒲生)は地元でも名の通った店で、有名であるが故に「食べにいこうか?」「たぶん、お客が一杯ちゃう?」ということが何度もあり、小さい頃からうどんを食べ続けてきた私でも、がもうにはじめて訪れたのは数年前のことだ。

 がもうは、他のうどん店同様にクルマがないと非常に行きづらい場所にある。しかも交通量の多い国道からは入り組んだ住宅街にあり、遠くからでも目立つような大きな看板もない。店舗入り口上に看板があるが店の前にある木で見えにくいだろう。

 はじめて行くなら詳細な地図を用意した方がよいだろうし、迷うことは覚悟しておこう。迷っても地元の人に聞けば、まず教えてくれるはずだ。

  がもうの店舗は田圃が広がる「香川的風景」の中にポツンとある。ポツンとあるが、周辺には駐車しているクルマが多数あって昼時なら人も結構いる。ただの田園風景にしては不思議に感じる光景だ。迷った末にその光景を目にすれば、感動すら覚えるに違いない。

  がもう
 

 店舗そのものは小さいのだが、20数台駐車できる駐車場がある。それと驚いたのは、少し離れたところに「さぬきうどんバスツアー」用の観光バス臨時駐車場もあった。どうも旅行会社が用意したらしいのだが、バスツアーでもはずせない店であることがうかがえる。

 この日、私ががもうに到着したのは午前11時過ぎだったが、駐車場はほぼ満杯。しかも他府県ナンバーが目立つ。覚悟のうえだったがすでに店頭には客の行列ができており、私たちが並んでいる後にもすぐに列ができていく。店内に入れなくて外で食べている人も多い。

  がもう
 

 ブームの影響もあって、香川のうどん店のいくつかは日常的に行列ができる状況にあるようだ。もっとも、香川のうどん店のよいところは客の回転が早いところで、10分も並んでいれば店内に入ることができるのがほとんどだ。客が並んでいて回転がよいということは、打ち立て、茹で立てのうどんを食べることができるということでもある。

 店内に入ると右手に座席、左手には麺を茹でている厨房がある。その奥にはセルフで汁が入った鍋や薬味が置かれている。もちろん、お好みでのせられる天ぷらなどのトッピングメニューもある。

 注文のシステムは香川では一般的なセルフ方式。釜の前にいる大将に食べたいうどんのメニューを伝える。このようなセルフの店では並んでいる間に壁に掛かっているメニューをチェックし、何を注文するかは事前に決め、自分の順番が来たらスムーズに注文できるように準備しておくのだ。

 うどん小(1玉)100円、大(2玉)180円、特大(3玉)270円となっていて、それぞれ「ぬくいん(茹でて水で絞めたものをもう一度湯で温める)」「そのまま(茹でて水で絞めたもの)」「釜揚げ(茹でている釜からそのまま丼へ)」がある。個人的にオススメは水で絞めたままで、コシが味わえる「そのまま」で決まりだ。

 丼に玉を入れてくれ、うどんの料金をおばさんに支払う。先払い制だ。さらに、店の奥にある鍋の汁を自分でかけて、ネギ、ショウガなどをのせる。汁は普通のかけ用と、ぶっかけ用の濃い口がある。茹で立てであれば、シンプルな醤油うどんもオススメだ。ちなみに「ぶっかけ」というのは、つけ麺用に近い少し濃いめの汁を、そのままかけかけて食べるのだ。

 この日は両親とヨメさん、私の4人とも大にしたが、誰も何もトッピングしなかったせいもあるが、合計720円! 大人4人の一食が720円! 安すぎるが、これが本場なのだ。

 店内は8〜10席程度なので、タイミングにもよるが店内で座って食べられるのは難しいだろう。しかし、そんなことは気にせず、外にはベンチも用意されているので適当な場所で座って食べてもよいし、立って食べよう!

  がもう
 

 写真では見た目に麺が雑然としているようだが、この素朴な雰囲気がよいのだ。汁が見えないが、私はぶかっけ用の濃い口汁にした。ぶっかけ用はかけすぎると辛くなるので量は少なめにする。

 麺の太さは普通だが、コシがあってエッジがシッカリしている。しかも純白である。ぶっかけ汁もダシが効いていてうまい! 注文した2玉入りの大でも比較的玉は小さい方なので、うどん店巡りをする場合でも大を注文してもよいと思う。私も食べ終わってから3玉入りの特大でもよかったかなと感じたほどだ。

 それに、やはりなによりも外で田園風景を見ながら食べられるのは香川ならではの醍醐味。もし店内が空いていても外で食べることをオススメする。

 席に落ち着いて食べるのも良いが、そもそも香川のうどん店は、サッと立ち寄り、ズズッと食べて、サッと店を出て行くファーストフードなのだ。立ち食いだって当たり前なのである。雨が降っていれば、傘を差して食べよう。と、カーポートを利用した屋根もあるので、ご心配なく。

 私が訪れた時にはアカ抜けた、どう見ても地元香川人ではない雰囲気の若い女の子達数人がうどんを食していたが、口々に「ムチャクチャ美味しい!」と感動していた。香川出身であることを誇りに感じる瞬間だ。

 食べ終わると二つある大きなポリゴミ箱に割り箸を捨て、残っていれば汁を捨てて、店内奥の流しにどんぶりを返す。食べ終わって帰る頃にも20人くらいが店頭には並んでいた。

 ちなみに店は玉がなくなり次第終了。最近、土曜日に立ち寄った知人は12時半過ぎで終了していたとのことなので、土曜日や祭日など混みそうな時期にうどん店をハシゴする際には時間に注意が必要だ。

※がもうはベルメゾンネットの「わっ!食べたい さぬきうどんの会」でも紹介されています。

 
 
店名 がもう
住所 香川県坂出市加茂町420-3
電話 0877-48-0409
営業時間

8:30 〜 13:30 ぐらい
(土祝 8:30 〜 13:00 ぐらい )
※売切れ次第終了

休業日 毎週日曜、第3月曜日
アクセス
瀬戸中央自動車道坂出ICから国道11号線を国分寺町方面に向かって約15分、JR鴨川駅前から交差する道を左に曲がる。しばらく走った突き当たりを右に曲がり、住宅街を抜け、田んぼが広がるあたりの遠くに店が見える。カーブミラーが目印で、店すぐ横の駐車場には20台程度駐車できる。JR鴨川駅からは歩いて約20分。
HP http://www.kbn.ne.jp/home/udong/
※営業時間、定休日など変更されている場合があります。
がもう
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