| キヤノン IXY DIGITAL 910 IS レビュー撮影モード、再生モードで活かされる顔検出機能、フェイスキャッチテクノロジー
このとき人物が動いたり、構図を変えようとカメラを動かしても白い枠はスッと顔に吸い寄せられるように追随する。そしてシャッターの半押しで、グリーンの枠に変わり撮影となる。フェイスキャッチテクノロジーでは、最大で同時に9つまでの顔を検出可能だ。
他社でも顔検出機能を搭載するデジタルカメラは多いが、常に枠が吸い寄せられるように顔へ追随するのは IXY シリーズの特徴で、その動きを見ていても面白い。 AFフレームを顔優先に設定していても、物や風景など人物以外を撮影する場合は、9つのフォーカスポイントから自動でピントを合わせる、9点測距 AiAF が働く。
ストロボ発光による赤目への対応としては、撮影時にレンズ上部のオートフォーカス補助光のランプが赤く点灯して目を慣れさせる「赤目緩和機能」と、再生モードの画像補正として「赤目補正機能」がある。
レンズシフト式手ぶれ補正、最高感度 ISO1600でブレを防ぐIXY DIGITAL 910 IS は手ぶれへの対応として、レンズシフト式の手ぶれ補正機能を搭載している。レンズシフト式は、撮影時のぶれ幅をセンサーが感知し、レンズ駆動によりぶれ幅を相殺する手ぶれ補正機能で、画質に影響を与えないのが特徴だ。
IXY シリーズ唯一の、広角28mmを搭載カメラのレンズには「焦点距離」というのがある。これはレンズの中心点からレンズが像を結ぶ点(焦点)までの距離をことを指し、「mm」で表す。この距離が長いほど被写体は大きく写り(望遠)、短いほど小さく写る(広角)。デジタルカメラはCCDのサイズによって焦点距離が異なるので、35mmフィルムの焦点距離に換算して表す。
一般的なコンパクトデジタルカメラの焦点距離は35mmだ。IXY DIGITAL 910 IS が採用する 28mm は 35mm と比較すると、被写体に対して距離を取れない狭い室内や、風景写真でもワイドで広がりのある撮影が可能だ。広角での撮影に慣れると、標準的な 35mm での撮影は物足りなくなる不思議な魅力がある。
広角 28mm はコンパクトデジタルカメラでは、パナソニック LUMIX シリーズでの採用が話題を呼んだが、現在でも採用しているコンパクトデジタルカメラはさほど多くなく、IXY DIGITAL 910 IS も現在の IXY シリーズでは唯一の広角モデルとなる。
ズームはレンズ駆動による画質劣化のない光学3.8倍を採用し、画像を拡大処理して望遠効果が得られるデジタルズームとの併用で、最大約15倍に対応する。ただしデジタルズームは、拡大処理によって画質に劣化が伴う。
さらに、レンズに装着することで望遠効果が得られる、テレコンバーターをデジタルで再現した「デジタルテレコン 1.6x」「2.0x」も搭載されている。本来のテレコンバーターはレンズに装着するため、レンズの明るさが落ちるが、デジタルテレコンはデジタルズームの倍率を、1.6 または 2.0 に固定して、CCDの中央部分を切り抜くことで望遠効果を得ているので、レンズの明るさが低下せず、手ぶれしにくい特徴がある。
ただ、「テレコン」という言葉自体、一般ユーザーには馴染みが薄いので、その用途と特徴が伝わりにくいかもしれない。「○○ズーム」といった、特別なネーミングを与えた方が理解しやすいように思う。 撮影サンプル
カテゴリーやフォルダ分類、検索が可能な再生モード電源オフ時でも、背面の再生ボタンを押すことで再生モードとして起動することができる。
スライドショーでは、日付、カテゴリ、フォルダ単位で再生することができる。
編集機能は、赤目補正、リサイズのほか、撮影時のマイカラー機能と同様に、セピアやモノクロ、コントラストの強調など色調を変化できる [レタッチマイカラー] が利用可能だ。 画素数、液晶モニターサイズアップでも、撮影可能枚数270枚は変わらずIXY DIGITAL 910 IS には専用のバッテリー NB-5L と、コンセントに直結するコンパクトなバッテリーチャージャーが付属する。
※CIPA規格:カメラ映像機器工業会(Camera & Imaging
Products Association)が定める電池寿命測定方法についての統一規格。
総論:全部入りと言えるほど、満足度が高い一台 IXY DIGITAL 910 IS の特徴的な機能を中心に紹介してきたが、広角28mm、大型液晶モニター、顔検出機能、手ぶれ・被写体ぶれ補正など、全部入りと言えるほど機能面での満足度は高い。
前モデルから見た目はガラッと変わったが、内容的には正統な進化を遂げたといえる。 もともと画質面でも評価が高い IXY シリーズだが、IXY DIGITAL 910 IS でもキヤノンらしいクリアな画質は健在だ。画像処理エンジンは DIGIC III を搭載し、発色もナチュラルで描写もシッカリしている。IXY DIGITAL 910 IS は、前モデルから CCD サイズはそのままで、画素数が約100万画素アップしているため、ノイズの発生を気にするかもしれない。全く同一条件で撮り比べたわけではないので厳密ではないが、日常的な利用で気になるほどの差はないだろう。 今回のモデルチェンジで IXY シリーズのラインアップも判りやすくなった。光学手ぶれ補正を搭載するモデルの中なら、CCDサイズが大きく高画質な IXY DIGITAL 2000 IS、光学ズーム4倍の IXY DIGITAL 810 IS、そして広角28mmで液晶サイズが大きい IXY DIGITAL 910 IS という具合だ。 購入に際しては、数ヶ月先に発表され価格がこなれてきている IXY DIGITAL 810 IS と迷うところで、広角か望遠か、液晶のサイズ、デザインの違いが決め手になるだろう。 もう少し望遠側が長ければと欲を言えばキリがないが、それ以上に満足できる部分が多く、IXY DIGITAL 910 IS は、現在のコンパクトデジタルカメラの中でも完成度が高い一台だ。 (H-lab:山地啓之)
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