カシオ EX-Z1080 レビュー

YouTube での動画共有が手軽にできる、有効1000万画素コンパクトデジタルカメラ“カシオ EXILIM ZOOM EX-Z1080”

 カシオ [ http://dc.casio.jp/ ]
 EXILIM ZOOM EX-Z1080
 価格:オープンプライス 最新価格を調べる >>
 発売日:2007年9月
EXILIM シリーズは、他社に先駆けて新しい機能を積極的に搭載してくるシリーズだ。
過去のモデルを見ても豊富なシーンモードに、高感度手ぶれ・被写体ぶれ軽減機能、2.5型もしくはそれを上回る大型液晶モニターの搭載など、今ではコンパクトデジタルカメラの常識となっている機能の多くが、 EXILIM シリーズから始まっているものも少なくない。
今回取り上げる EX-Z1080 にも、YouTube モードをはじめユニークな機能が搭載されている。
これら機能が今後のコンパクトデジタルカメラの可能性を、どう広げてくれるのかレビューしてみたい。

親しみやすく、落ち着いたボディデザイン

まずは外観からチェック。
EXILIMシリーズはカードをイメージさせる四角い形状が印象的で、堅いイメージが強かったが、EX-Z1080 は角に丸みを持たせてあり、親しみやすい印象を受ける。
角の丸みと背面の上部が少し傾斜していることで、手に馴染みやすいが、グリップとなる出っ張りがないので、両手でのホールドや、ストラップを手首に巻くなど落下防止を心がけた方がよいだろう。
今回お借りしたグレーモデルは、艶消しのメタリックグレーで落ち着いた雰囲気がある。カラーラインアップはグレーのほか、ピンク、ゴールド、ブルー、ブラックと、女性を意識した淡い色が用意されている。
オプションのカメラケースも、女性らしいカラーリングが用意されている。
本体上部には、電源ボタン、シャッターボタン、ズームレバーがある。
背面には撮影・再生モードボタンがあり、撮影と再生を瞬時に切り替えることができるほか、電源オフの状態でもいずれかのボタンを押すことで起動し、撮影・再生の状態に入ることができる。設定を変えることで、電源オフも可能となる。
レンズは光学3倍ズームを搭載し、4倍デジタルズームと併用することで、最大12倍まで対応する。また、画像サイズを落として、画像の中央部分を切り抜き擬似的なズーム効果が得られる HDズームでは、17.1倍に対応する。
CCD は、有効1010万画素、1/1.75型正方画素原色CCDを搭載し、最大画像サイズ 3648×2736 ピクセルの撮影が可能だ。
次に背面を見ていこう。
背面のデザインは過去のEXILIMシリーズの流れを汲んでおり、ボタン、キー数も少なくスッキリとしている。液晶モニターは解像度約11万画素、横長の2.6型ワイド液晶を搭載する。このサイズの液晶モニターでは、23万画素の高解像度モニターが増えているので、EX-Z1080 の画質が気になるところだが、特にジャギー(ギザギザ)が目に付くようなことはほとんどない。
屋外など明るい環境ではモニターの明るさが自動的にアップして、見やすくなる。
たた、視野角はあまり広くなく、斜め方向から覗きこむと、明暗が反転してしまい見えづらい。
モニター部分は若干盛り上がり、厚みがある。奥行きサイズ 24.2mm は、この液晶モニター部分の厚みだ。それ以外の部分は奥行きが抑えられているため、右手で持った時に、数値から受ける印象ほどの厚みは感じられない。
EXILIM シリーズはボタンやキーが少なく、露出補正やISO感度の設定を少し変えるだけでもメニューを呼び出す必要があったが、EX-Z1080 では液晶モニターに表示される操作パネル(後述)上にそれらメニューを常時表示されることで、利便性がアップしている。
バッテリーとメモリーカードは本体の底面から挿入する。メモリーカードは、SDHCメモリーカード、SDメモリーカード、マルチメディアカード、マルチメディアカードplus が利用可能だ。
本体には11.4MBのメモリーを内蔵するが、 最大サイズとなる 3648×2736ピクセルでは1枚しか撮影できず、L判サイズ相当となる 1600×1200 ピクセルでも9枚しか撮れない。
お試し用であるとしても有効1000万画素を試すには少なすぎる。せめて32〜64MB程度を搭載して欲しかった。

側面にはUSB端子を備え、パソコンとの接続や PictBridge に対応したプリンターに直接接続してプリントも可能だ。
また、付属のAVケーブルによるテレビ出力用のAVアウトとしても利用できる。

あらゆるシチュエーションに対応する、41種類の撮影モードを搭載

次に撮影モードや設定を含めた操作面を見ていこう。
起動は本体上部の電源ボタンを押すと、約1秒程度で撮影可能状態となり、レスポンスはよい。
起動・終了は、先にも触れたように液晶モニターの上にある撮影・再生モードボタンでも行える。
起動すると液晶モニターの右には、画像サイズやストロボ、顔認識などの設定が行える操作パネルが表示される。
操作パネルでは、撮影中に設定を変えることがよくある項目が並んでおり、変更のたびに設定メニューを呼び出すことなく、即座に確認や変更ができる。
モニターサイズがワイドなので、操作パネルが表示されても邪魔にはならないが、不要であれば非表示に設定することもできる。
EX-Z1080 には様々なシチュエーションに対応する撮影モードとして、EXILIM シリーズとしてはお馴染みの「BS(ベストショット)」モードが搭載されている。
利用できるモードは、[オート] [ムービー] [人物] [風景] [風景と人物] [子供] [スポーツ] [キャンドルライト] [パーティー] [ペット] [花] [緑を鮮やかに] [紅葉] [水の流れを滑らかに] [水しぶきを止めて] [夕日] [夜景] [夜景と人物] [花火] [食べ物] [文字] [コレクション] [オークション] [逆光] [ブレ軽減] [高感度] [水中] [白黒] [レトロ] [トワイライト] [レイアウトショット(2枚)] [レイアウトショット(3枚] [オートフレーミング] [証明写真] [色あせた古い写真を色鮮やかに] [名刺や書類] [ホワイトボード] [ショートムービー] [ パストムービー] [YouTube] [ボイスレコード] の41種類もあり、静止画モードだけでも36種類ある。日常の撮影でおよそ思いつくシチュエーションはほぼ網羅されていて、このクラスのコンパクトデジタルカメラではトップクラスの豊富さだ。
「BS(ベストショット)」モードは、全部で41種類。(左図3枚) ズームレバーで撮影のポイントを参照できる。(右図)
ユニークなモードとしては「レイアウトショット」がある。これはあらかじめ用意されているレイアウトの枠に合わせて、2もしくは3枚撮影すると1枚の画像として記録されるモードだ。画像サイズは3072×2304ピクセルに固定されるが、解像度はA4サイズに耐えられるので、様々な利用法が考えられるだろう。再生モードのリサイズ機能で640×480ピクセルに縮小すれば、ブログやオークションの出品用の画像としても変化のある見せ方ができる。
また「オートフレーミング」もユニークで、シャッターボタン半押しでフォーカスロックすると、被写体が動いたりカメラが動いても、被写体がフレームの中心になるようにフォーカスフレームとトリミング(カット)枠が追随し続ける。周囲がトリミングされるため、画像サイズは5M(2560×1920ピクセル)に固定される。

動画モードのひとつ「YouTube」モードは後ほど詳しく触れよう。
BSモードはモード数が多く選択画面が3画面に渡る。目的のモードによっては、たどり着くために画面のスクロールを繰り返すことになるが、スクロールのレスポンスは良く、ストレスはさほど感じない。

高感度 ISO による手ぶれ・被写体ぶれ軽減、暗い状況では ISO6400 で対応

EX-Z1080 は手ぶれ・被写体ぶれ対策として、高感度ISOを採用している。
EX-Z1080 のぶれ軽減の設定にはいくつかあり、適用される最高感度の範囲がそれぞれ異なる。
操作パネルの [ブレ軽減] を選んだ場合は最大ISO800まで、ベストショットの [ブレ軽減] モードを選んだ場合は最大ISO1600まで、[高感度] モードに設定した場合は最大ISO6400までとなる。
高感度ISOによる撮影はノイズが発生しやすくなるため、日常的な撮影では操作パネルの [ブレ軽減] 、最大ISO800までで充分だろう。
ここ一番、動きが激しい物を静止したいときや、暗い状況でストロボ発光なしでブレを軽減したい場合に、ベストショットの [ブレ軽減] や [高感度] モードに切り替えてみよう。

ISO800・1/13秒・F2.8・ストロボなし

ISO1600・1/25秒・F2.5・ストロボなし

ISO3200・1/50秒・F2.8・ストロボなし

ISO6400・1/100秒・F2.5・ストロボなし
高感度撮影のノイズも画像編集ソフトで縮小すれば、ほとんど気にならない程度にノイズを抑えることができることも多い。画像編集ソフトを使って、640×480もしくは320×240ピクセル程度に縮小して、ブログへの掲載なら ISO3200 〜 6400 でも利用可能なケースもある。
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