パナソニック DMC-FX500 レビュー

タッチパネルが新しい、広角25mm、光学5倍ズーム搭載コンパクトデジタルカメラ“パナソニック LUMIX DMC-FX500”

 パナソニック [ http://panasonic.jp/ ]
 LUMIX DMC-FX500
 価格:オープンプライス 最新価格を調べる >>
 発売日:2008年4月
男女問わず人気のコンパクトデジタルカメラ LUMIX シリーズ。今回は3.0型のタッチパネル液晶モニターを搭載する、LUMIX FXシリーズのフラグシップモデル DMC-FX500 を取り上げる。タッチパネルで操作はどう進化したのか? 広角25mm、光学5倍ズーム、おまかせ iA なども含めてレビューしていこう。

フラッグシップモデルにふさわしい、高級感溢れるボディ

まずは外観からチェック。
LUMIX FX シリーズ中、ハイエンドコンパクト機に位置するDMC-FX500のボディデザインは、しっかりしたエッジと小振りなグリップが印象的だ。丸みを持ち柔らかい印象の他のLUMIXシリーズと比較しても、デザインの方向性が若干異なり、親しみやすさよりも高級感が醸し出されている。ボディカラーは今回お借りできたギャラクシーブラックのほかに、ストーンシルバーがラインアップされている。
左からストーンシルバー、ギャラクシーブラック
ボディカバーはアルミニウムと樹脂で構成されているが、メタリック処理がうまく使われており安っぽさを感じるところはない。シルバーの小振りなグリップも実は樹脂製なのだが、全体の雰囲気にうまく溶け込んでおり、金属製のように感じさせ全体の落ち着いた印象に一役買っている。

ボディサイズは幅が約94.9mm、高さ約57.1mm、奥行き約22.9 mm。スリムボディで人気の DMC-FX35 と比較しても、3.0型モニターを搭載しているため高さこそ約6mm大きいものの、幅と奥行きでは0.2〜0.9mm程度上回るだけだ。
見た目と大型液晶の影響で数値以上に大きく感じるが、光学5倍ズームを搭載していることを思えば、充分コンパクトといえる。

手に持つとズッシリとした重量感があるが、見た目の高級感に通じる重さで、起動してレンズがせり出した際の重量バランスも安定感がある。
レンズはLUMIXシリーズではお馴染みのLEICA DC VARIO-ELMARIT(ライカ DC バリオ・エルマリート)レンズ、特長のひとつでもある広角25mmを搭載。光学式手ブレ補正機構(MEGA O.I.S.)を内蔵する。
ズームは光学5倍と、CCD の使用領域を狭くして最大8.9倍までズームできる「EX光学ズーム」(画像サイズは3M 以下)を採用する。撮像素子は1/2.33型CCD を採用し、有効1010万画素。最大記録サイズは画角 4:3 で 3648 × 2736ピクセル(10M)だ。
次に背面を見ていこう。
背面には操作キーと、23万画素の3.0型タッチパネル液晶モニターを搭載する。操作キー部は液晶モニター部に比べ、やや低くなっているので、右手で持っても自然と親指がモニターにかかりにくくなっている。
他のLUMIXシリーズも同様だが、液晶モニターの視野角(上下左右から綺麗に見える角度)は、それほど広くない。一時的に明るさをアップさせ視認性を向上させる「パワーLCD」や高い位置でカメラを構えたときに下からのアングルでも見やすくなる「ハイアングル」機能が用意されているが、利用にはメニュー操作が必要で面倒に感じられる。コストとの兼ね合いもあるだろうが、ノーマル状態でも、もう少し視野角の広い液晶モニターを採用して欲しい。
DMC-FX500の場合、タッチパネル液晶の採用により指でモニターを触れる機会が多いので、指紋が気になるようであれば、保護フィルムを装着しよう。

操作キーでは、LUMIX シリーズの特長であったモードダイヤルはなくなり、撮影/再生モード切替スイッチ、[MODE] ボタンがあり、方向キーとして上下左右に倒して操作できるジョイスティックを採用する。
主な設定メニューをオンスクリーンで呼び出すことができる、[Q,MENU(クイック・メニュー)] キーもある。

上部は電源スイッチ、シャッターボタン、ズームレバー、マイク、スピーカーがある。
ズームレバーによるズーム動作の際に、レンズ胴体部分で堅いものと柔らかいクッションのようなものが擦れるような不自然な音がしたが、これは貸出機特有の現象かもしれない。


側面のカバーを開けると、DC IN端子、付属のAVケーブルや付属のUSBケーブルを接続できる AV OUT / USB 端子が用意され、コンポーネント出力端子も搭載する。コンポーネント接続は別売りの専用D端子接続用コンポーネントケーブルを利用することで、D端子(D3以上)を搭載するハイビジョンテレビなどへ高画質で映し出すことができる。

バッテリーとSDメモリーカードは本体の底面から挿入し、容量2GBまでのSDメモリーカード、4〜16GBのSDHCメモリーカードに対応する。
本体内には約50MBのメモリーを内蔵し、本体メモリーには最大サイズの 10M サイズで9枚、L判プリント相当の2M サイズなら、51枚の撮影が可能だ。

モード選択、タッチAF/AEなど、直感的な操作ができるタッチパネルを搭載

次に撮影モードや設定を含めた操作面を見ていこう。
DMC-FX500 の操作上でのポイントは、大きな3.0型液晶モニターを利用したタッチパネルだ。
タッチパネルを使った操作は、撮影・再生モードの両方で利用できる。
撮影モードでは、背面の [MODE] ボタンを押して表示される各種撮影モードの選択時にタッチパネルが利用できる。各メニューボタンは指先でのタッチがしやすいよう大きめで、軽く画面に触れるだけで選択が可能だ。[SCN(シーンモード] では、撮影のポイントも参照できる。
カメラを被写体に向けるだけで、最適なシーンモードを選択する「おまかせ iA(インテリジェントオート)モード」も搭載する。おまかせ iAモードで自動認識するのは、[顔認識] [風景認識] [接写認識] [動き認識] [顔&夜景認識] の5つのシーンで、被写体にカメラを向けるとほぼ待たされることなく、最適なシーンモードが選択される。
その際、暗部の明るさを自動補正する、暗部補正も働く。
[絞り優先AE] [シャッター優先AE] [マニュアル露出] では、画面の右と下に表示される設定バーを指先でドラッグして、絞りとシャッタースピード、露出補正の設定が行える。
ドラッグ操作は決して使いにくくはないが、設定バーに対して設定値が小刻みに設定されているため、指先への微妙な力の入れ具合や指の傾きが変わっても数値変化するので、操作には慣れが必要だろう。
撮影中には液晶モニター上の被写体にタッチすることで、ピントと露出を合わせることができる「タッチ AF/AE」機能を搭載している。使い方は簡単で画面に表示されている [AF/AE] アイコンを押してから、被写体を指先でタッチするとAFエリアが被写体に合う。液晶モニター上で目的の被写体を直接指定できるので、集合写真で特定の人物にピントを合わせたいときにも、素早くピント合わせができる。
また指でタッチした後に被写体が動いてもAFエリアが追従する「タッチ動体追尾 AF/AE」機能を搭載している。これは子供やペットの移動が移動したり、カメラを動かして構図が変わっても、AFエリアが追い続けてくれる機能だ。
タッチ AF/AEは直感的で扱いやすいが利用する際に一旦、画面上の「AF/AE」ボタンを押してからではないとタッチモードに入れず、操作にワンステップ加わることが煩わしく感じられた。
おそらく撮影中は、毎回タッチAF/AEを利用するわけではないので、カメラ側のAF/AEかタッチAF/AE利用かを切り替える必要があるのだろう。
操作に慣れないうちはこれでも良いと思うが、使い慣れてきた場合には煩わしい。通常はカメラ側のAF/AEを利用、ボタン操作せずともモニターにタッチした時だけタッチAF/AEが優先されるといった、切替を意識せずにシームレスに操作できる方が扱いやすいだろう。
DMC-FX500 のパッケージにはタッチペンが付属しているので、指紋が気になったり指先でのタッチ操作に馴染めないなら利用してみよう。
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