精悍なボディに充実の機能を搭載、高速レスポンスを実現した有効710万画素デジタルカメラ“ニコン COOLPIX S500”

ニコン [ http://www.nikon.co.jp/ ]
COOLPIX S500
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発売日:2007年3月16日
これまでニコンの COOLPIX S シリーズは、曲線を用いたスタイリッシュなデザインが特徴的だったが、逆にクセがあり手に取るのを躊躇していたニコンファンもいるのではないだろうか。
今回の COOLPIX ラインアップでは、ボディデザインが一新された COOLPIX S500 が加わった。新しいボディに身を包んで、COOLPIX S シリーズがどう進化したのかレビューしていきたい。

シンプル且つクール、精悍なボディ

まずは外観からチェック。
COOLPIX S500 にはシルバーとアーバンブラックがラインアップされており、今回はシルバーをお借りすることができた。
COOLPIX S500 のボディデザインは、長方形に円いレンズを内蔵するいわゆるカメラらしいデザインで、真正面から見るとごく普通のコンパクトデジカメに感じられるかもしれない。 しかし、実際に手に取ってみると質感の高さ、コダワリが感じられる。
シルバーモデルのボディ前面は、擦り加工が施された渋い色合いのアルミニウムで、本体のコンパクトさも手伝って金属の削りだしのような雰囲気を醸し出している。このクラスのコンパクトデジカメでは「クール」という言葉が形容として利用されることが多いが、COOLPIX S500 のボディはまさにクールで精悍だ。
ボディサイズは幅88 × 高さ51×奥行き22 mm、光学式手ブレ補正搭載のコンパクトデジタルカメラとしては世界最小となる。
高さが抑えられているぶん奥行きに厚みががあるように感じられるかもしれないが、このクラスのコンパクトデジカメとしては平均的かむしろスリムな部類に入る。

ボディ正面にある「COOLPIX」のロゴは印刷ではなく、彫り加工が施され、コダワリが感じられるポイントだ。

上部には電源スイッチ、シャッターボタンのほか、ぶれ軽減ボタン、フェイスクリアーボタンがある。電源スイッチ、シャッターボタンはサイズが異なり、電源ボタンの表面には凹凸処理もされているので、押し間違えることもないだろう。
CCDは、1/2.5型原色CCDの有効710万画素。
レンズは沈胴式の、35 - 105mm相当(35mmフィルム換算)光学3倍ズームニッコールレンズを搭載している。最大4倍の電子ズーム(デジタルズーム)との併用で、最大12倍ズームとなる。他社デジカメにあるような、画像の中央部分を切り抜く擬似的な高画質ズーム機能は備えていない。
続いて背面を見てみよう。
背面には2.5型液晶モニターと操作キーが並ぶ。操作キーではこれまでも一部 COOLPIX シリーズで採用されていた、ロータリーマルチセレクターが印象的だ。
液晶モニターは、2.5型23万画素を採用しており、撮影済画像の閲覧も高画質だ。ただ左右の視野角に比べて、上下の視野角が狭く、45度程度傾けると暗転したり白飛びすることがあり見づらくなることもある。コストの問題もあると思うが COOLPIX S500 の本体の質感の高さを考えると物足りなさを感じる部分だ。
操作キーでは、ロータリーマルチセレクターに割り当てられた露出補正のアイコンが、ボディの側面(角)に配置されているのが気になる。側面になると特別な意味合いを感じてしまうのだ。マクロモードのアイコンも MENU ボタン、削除ボタンに挟まれて窮屈そうでもある。スペースの関係上やむを得ないのかもしれないが、少し違和感を感じるアイコンのレイアウトだ。

メモリーカードはSDメモリーカード、SDHCメモリーカードにも対応しており、本体底面から挿入する。手元にあった4GBのSDHCメモリーカード(クラス6)も問題なく利用できた。
COOLPIX S500 の本体には約21MBのメモリーを内蔵しており、最大記録サイズの7M(3072×2304ピクセル:高画質)で7枚撮影できる。

世界最速レスポンス、軽快な操作が行えるロータリーマルチセレクター

次に撮影モードや設定を含めた操作面を見ていこう。
操作性においてポイントとなるのが、起動の速さとシャッターボタンを押してから撮影されるまでの時間差「レリーズタイムラグ」の短さだ。
起動時間は約0.6秒(カタログ値)と世界最速で、電源投入から待たされることはない。
レリーズタイムラグは手ブレ補正(VR)時に「レスポンス優先」を設定した場合に、約0.005秒(カタログ値)となり、こちらも世界最速だ。コンパクトデジカメでは、シャッターボタンを押してから実際に撮影されるまでワンテンポ遅れる印象が強いが、COOLPIX S500 ではそのような感覚がほとんどない。
逆に起動時間の速さに比べて、終了には若干の待ちがある。電源ボタンをオフにして胸ポケットに収めようとしたときに、レンズが収納されるのに少し待たされるのだ。実際には僅かな時間だろうが、起動が速いため逆に意識してしまった。
キー操作の特長としては過去のCOOLPIX Sシリーズから続くロータリーマルチセレクターの採用がある。キーの回転により撮影モード、再生モードなどのメニュー操作が行え、十字キーの役割も担っている。
これまでの COOLPIX S シリーズと比較すると、本体サイズがコンパクトになったため 、ロータリーマルチセレクター自体のサイズも小さくなった。COOLPIX S500 で初めてロータリーマルチセレクターに触れるなら気にならないだろうが、過去の COOLPIX S シリーズを触った経験があったり、指が太い男性だと操作しづらく感じるかもしれない。
また、ロータリーマルチセレクターの操作は軽快でメニュー上の移動もスムーズに行えるが、スムーズすぎて目的のメニューから行き過ぎてしまうことがあった。慣れの問題かもしれないが、目的のメニューで停止するために注意深く静止しなければならないこともあったので、もう少し指先の感覚的にフィットする操作性が欲しい。

様々なシチュエーションに対応する、15種類のシーンモードを搭載

COOLPIX S500 で利用できる撮影モードは、オート撮影の [撮影] のほかに感度ISO1600まで自動設定される [高感度] 、シチュエーションごとにシーンモードとして [ポートレート] [風景] [スポーツ] [夜景ポートレート] [パーティー] [海・雪] [夕焼け] [トワイライト] [夜景] [クローズアップ] [ミュージアム] [打ち上げ花火] [モノクロコピー] [逆光] [パノラマアシスト] が用意されている。
暗い状況での撮影となる [夜景ポートレート] [トワイライト] [夜景] では、自動的にノイズ軽減機能が働く。
シーンモードの選択時にズームキーを押すと、各シーンの特長を解説したヘルプ表示が可能だ。

撮影中に気になったのが、オートホワイトバランスでは蛍光灯の種類によって補正しきれず緑がかってしまうケースがあったことだ。マニュアルで蛍光灯モードにすれば適応できたが、ホワイトバランスを変更できるのは [撮影] と [高感度] に限られる。

また、撮影モードには次に説明する [ブレ軽減モード] [フェイスクリアーモード] もある。
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