過去を振り返るとカシオのコンパクトデジタルカメラ EXILIM シリーズには、「世界初」と呼ばれる機能の搭載が多い。それまでプロの機材でしか実現できなかった、ハイスピード撮影が可能となった
EX-F1は記憶に新しく、斬新でユニークな機能を搭載することが多い。
今回ご紹介するEX-Z400も例外ではなく、「世界初」を搭載するユニークなデジタルカメラだ。
では、新機能を中心にレビューしていこう。
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カバーは前面・背面共にアルミニウムが用いられ、手に持つとヒンヤリとして質感は高い。
全体の質感は好印象だが、唯一レンズ部のグレーの樹脂パーツは、安っぽさを感じさせる。コストとの兼ね合いもあるのだろうが、少し残念な部分だ。
バッテリーとメモリーカードを含めた重量は約160gで、このクラスとしては平均的。だが見た目がコンパクトなので、印象よりもズッシリと感じられる。 |
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本体上部には電源ボタン、シャッターボタン、ズームレバーの他に、人の肌を滑らかに撮影できるメイクアップボタンが配置されている。
電源ボタン、シャッターボタンは薄くフラットにデザインされている。
撮像素子は有効1210万画素の、CCDシフト式手ぶれ補正を搭載する1/2.3型CCDを採用し、最大撮影画像サイズは12M(4000×3000ピクセル)まで可能だ。最近では高画素化は特筆するべき事柄ではないが、それでもコンパクトデジタルカメラで1200万画素超というのは、技術の進歩を感じさせる。
レンズは35mm換算で28〜112mmの光学4倍ズームを搭載し、広角から望遠まで対応する。また画像サイズは小さくなるが、画質を落とさずにズーム効果が得られるHDズームを採用し、最大25倍(画像サイズ640×480ピクセル)に対応する。 |
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液晶モニターの解像度は約23万画素で、数値的には特に精細なわけではないが明るくクリアだ。上下左右・斜め方向からの視認性も高く、撮影時のみならず画像鑑賞でも高い満足度が得られる。
液晶モニターに親指がかからないように構えると、操作部のスペースが狭いため少し不安定な構えとなる。ボディにはグリップになるような凹凸もないので、両手でのホールドを心がけた方がよい。 |
背面のボタンの中で目に付くのが、赤いムービーボタンだ。EX-Z400では静止画・動画モードを切り替えるスイッチはなく、静止画モードの状態でもムービーボタンを押すことで、動画撮影を即座にスタートできる。HDムービー(1280×720)の撮影も可能だ。
再生ボタンとカメラマークの撮影ボタンは再生・撮影モード切替のほか、電源オフ状態から再生モードまたは撮影モードとして起動することができるダイレクトONボタンになっている。
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側面にはストラップ取付用の穴と、USB/AV端子があり、
バッテリーとメモリーカードは本体底面から挿入する。
対応するメモリーカードはSD・SDHCメモリーカードで、無線LANで画像転送ができるEye-Fiカードにも対応する。利用の際には設定画面でEye-Fiカード利用をオンにする。EX-Z400付属の取扱説明書でもEye-Fiカードについて軽く触れられているが、具体的な利用方法に関しては、Eye-Fiカードに付属する取扱説明書を参照しよう。
EX-Z400は約35.7MBのメモリーを内蔵しており、最大 12Mサイズ(4000×3000ピクセル)で4枚、3Mサイズ(2048×1536ピクセル)で14枚の撮影ができる。12Mサイズを多用するなら、2GB以上のSD・SDHCメモリーカードを利用したほうが良いだろう。 |
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まず切り抜きの対象となる被写体、人物や小物など「キャラクター」を撮影する。キャラクターの撮影は静止画か、1、2、4秒いずれかの動画で撮影することが可能で、1秒で20fps(20コマ/秒)、2秒で10fps(10コマ/秒)、4秒で5fps(5コマ/秒)になる。
切り抜かれたぬいぐるみ
(キャラクター) |
静止画の場合はキャラクターが1枚の画像に、動画の場合はパラパラマンガのような連続する20枚の画像として連写される。撮影ができたらカメラの位置はそのままでキャラクターを画面から外し、キャラクターがいない状態で再度撮影する。
こうすることによりキャラクターの有無による違いを判断して、キャラクターの自動切り抜きが実行される。
動画の場合は連続する20枚の画像を切り抜くので、少し待ち時間があるが、それでも約20秒程度とかなり高速。これは2つのCPUで並列処理を行う、EXILIMエンジン4.0によるところが大きい。
これで切り抜かれたキャラクターの準備ができた。 |
背景用の風景写真 |
合成作業は再生モードで行う。再生モードの機能で [キャラクター貼り付け] を選択し、合成したい背景となる静止画を選ぶ。続いて切り抜きが施されたキャラクターを選択。
すると背景となる画像の上に合成するキャラクターが、切り抜かれた状態でプレビューされるので位置を調整することができる。位置の調整ができたら [SET] ボタンを押すと合成が実行され、完成。合成結果が再生される。 |
使い始めではキャラクターが思ったように切り抜けないなど、うまくいかないこともあったが、試行錯誤しているとコツのようなものが掴めるようになった。それらポイントをいくつか紹介しておこう。
まず、切り抜かれるキャラクターの撮影は、キャラクターに含まれる色とは異なるシンプルな背景の前で行う必要がある。例えば白やグレーの壁といった環境だ。というのもEX-Z400はキャラクターと不要な周囲とを、色や明るさの違いで判断して切り抜いているからだ。そのため被写体と似た色や、ごちゃごちゃしている背景だと必要な部分と不要な部分との判断が付かなくなり、綺麗に切り抜くことができない。
また合成の際、背景に対してキャラクターの位置は調整できても大きさは変えられないので、双方のサイズをある程度意識しながら撮影する必要がある。
動画合成の仕組みは、連写したキャラクター20枚の静止画を高速で切り抜き、一枚一枚に別の背景を合成、それをパラパラマンガのように再生している。EX-Z400内では20枚を1枚のファイルのようにまとめて扱うので、再生モードで動画として再生することが可能だ。
ただしこれはEX-Z400内のみ可能で、パソコン上では20枚の静止画JPEGファイルと認識され、動画として再生することはできない。
画像編集ソフトによっては、連続する複数の静止画から動画を作成できるものもあるが、かなりの手間がかかる。
そのためカシオでは20枚のJPEGファイルを、動画に変換することができる無料動画変換サービスサイト「
ダイナミックスタジオ(http://dynamicstudio.jp/)」を用意している。
作業はWebブラウザから行え、画面の指示に従って20枚の画像をアップロードし、動画に変換する。動画形式は3GPP、3GPP2、FLV、 MPEG-1、MOV、MPEG-4、GIFファイルに変換してダウンロードするか、30日間オンラインムービーとして閲覧できるURLを取得できる。
上のサンプルはFLV形式に変換して、ページに貼り付けた。
見栄えのよい動画合成を行うには試行錯誤と慣れが必要だが、ワイワイ言いながら遊べるデジカメとして楽しむことができる。
ダイナミックフォトスペシャルサイトではユニークなサンプルが多数掲載しているので、参照して欲しい。