2.7型大型液晶モニターと2つのブレに対応し、快適な撮影環境が得られる“カシオ EXILIM ZOOM EX-Z500”

カシオ [ http://dc.casio.jp/ ]
EXILIM ZOOM EX-Z500 icon
価格:オープンプライス(44,800円(税込) e-casio >>)
発売日:2005年8月12日

ここ2、3年のデジカメのトレンドといえば、液晶モニターの大型化とバッテリーの長寿命、手ぶれ防止の3つが挙げられるだろう。それらポイントに早くから積極的に取り組んできたのが、カシオの EXILIM シリーズだ。そんな充実の機能を備えた EXILIM シリーズに、新しく EX-Z500 が加わった。ここではレビュー用に EX-Z500 をお借りできたので、それらポイントを見ていこう。

高品位な質感と適度な重量感、満足度大の2.7型液晶モニター

まずは外観からチェック。
最近のデジタルカメラでは液晶モニターを大型化するに伴って本体サイズが大きくなるのを補うために、奥行きが薄くなる傾向にある。EX-Z500 も大型2.7型モニターを搭載するにも関わらず、本体サイズが大きい印象を受けないのは、20.5mmとスリムな奥行きのせいだろう。
デジカメを人に見せた際に「薄いね〜」と言われるのはちょっとした優越感でもある。

本体はアルミ製でひんやりとした感触が高級感を感じさせる。持ったときには見た目の印象よりもズッシリするので女性には重く感じるかもしれないが、安っぽさは感じさせない。ある程度の重さは手ぶれ防止に貢献もしてくれる。
EX-Z500 でも十分薄いのだが、市場ではより薄いデジカメも登場しているので、「スリムで軽い」を期待すると少し違う印象を持つだろう。

写真では判りにくいと思うが、本体前面は上部から中央の水平ラインの部分に向かって若干の傾斜がかかって膨らんでいる。これはわずかな傾斜で、右手でカメラを構えたときに中指の当たる面が多くなりホールディングを安定させるグリップの役割を果たしている。従来の EXILIM シリーズではグリップ部分に指がかかるように突起があったが、それが個人的にはメカっぽく堅い印象を受けていたので、EX-Z500 で見た目にグリップであることを意識させずにまとめられているのは好感が持てる。
次に背面を見ていこう。
背面で大きな存在感を放っているのが、2.7型の液晶モニターだ。最近では2.0〜2.5型の液晶を持つカメラも増えてきたので液晶の大きさには見慣れていると思っていたが、EX-Z500 を見るとやはり「デカい!」と感じる。デジカメは液晶が大きいだけで得したような気がするから不思議だ。もちろん大きさだけでなく、撮影・再生時の液晶の映りに不満を感じることもない。
しかし液晶が大きいからこその心配事もある。それは液晶へのキズだ。
EX-Z500 の液晶モニターの表面は本体のアルミ部分よりもほんの少し出ている。このため液晶面を下にして置くときには非常に気を使ってしまい、精神的によくない。できれば液晶が本体の表面よりも少し奥まるか、本体の四隅に小さな突起を付けて床と直接当たるのを防ぐような工夫が欲しい。
もしくはハードコートのアクリルを液晶の表面に使用してほしい。(もし使用しているならアピールを!)
最近はデジカメの購入と共に液晶保護フィルムを貼るユーザーも多いようだが、液晶が大きいだけで得したような気がする反面、キズが付いた時の落ち込みも激しい。できれば本体側でもなんらかのキズ防止策が欲しい。

ボタン類は少なく、マクロもオートで切り替え不要

次に撮影モードや設定を含めた操作性を見ていこう。
他の EXILIM シリーズと同様に、EX-Z500 は起動やモードの切り替えの動作が速い。起動時間も1秒とかからずに撮影状態に入ることができるし、再生モード、メニューの呼び出しもストレスを感じることはない。

本体上部には、電源ボタン、シャッターボタン、ズームレバーがある。背面には撮影モードボタン、再生モードボタンがあり、撮影と再生を瞬時に切り替えることができるほか、電源オフの状態でもいずれかのボタンを押すことで起動し撮影、再生の状態に入ることができる。

たまたまかもしれないが、撮影で持ち出した際にカバンの内ポケットで勝手に電源が入っていることがあった。何かがボタンに当たった為だと思われるが、設定により撮影モード・再生モードボタンでの電源オン・オフは無効にもできるし、デジカメケースに入れてからカバンに入れたほうがよいだろう。

背面のキーやアイコンは数が少なくシンプルだ。メニューを呼び出す [MENU] キーと撮影モードを設定する [BS(ベストショット)] キー、メニュー項目の選択、決定を行うための方向キーと [SET] キーがあるのみ。これは撮影モードの全てを液晶画面で行うためだが、少し気になるのはこのシーソータイプの方向キーが、上下左右の押せる部分が狭く押し間違うことがあることだ。

シーソータイプで上下左右以外の斜め方向も押せるのだが、押したからといって写真一覧表示などで斜め方向にカーソルを移動できるわけではない。操作中にも間違って四角い角の部分を押して、思わぬ方向にメニューが選ばれてしまうことがあったので、指が太い男性やつけ爪をしている女性だと押しにくいかもしれない。四角い方向キーが45度回転して菱形であれば、押せる部分が広くなって操作しやすくなるのではないか。

背面には比較的よく使うマクロモードのボタンさえも装備されていないが、EX-Z500 では17〜50cm 以内の被写体に対しては自動でマクロモードに切り替わるオートマクロを搭載している。モードの切り替えを意識せずに被写体へグッと寄ることができるのは、撮ろうとしている気持ちが途切れることなく有り難い。

バッテリーとSDメモリーカードは本体下部から挿入する。バッテリーはフル充電の場合、公称で約500枚(CIPA準拠※)の撮影が可能だ。この数値は同クラスのデジカメではトップクラスだ。この長寿命を実現するためか約1cmほどの厚みがある。そのため本体のスリムさに対して意外なほど分厚い。本体下部には三脚用の穴も用意されている。
EX-Z500 には、お試し用のメモリーカードが付属していない代わりに、本体に8.7MBのフラッシュメモリーを内蔵している。500万画素での撮影では4枚程度しか撮影できないので、非常用として捉えた方がよい。内蔵メモリーからSDメモリーカードへ画像のコピーが可能だ。
※CIPA規格:カメラ映像機器工業会(Camera & Imaging Products Association)が定める電池寿命測定方法についての統一規格。

EX-Z500 では、使いやすさへの配慮が感じられる箇所がいくつかある。そのひとつが画像サイズの設定で、画像サイズを設定する際に [2M] → [L版プリント] → [1600×1200] というように画像サイズに該当するプリントサイズ、ピクセル数が自動で順次表示される。ちょっとしたことだが、画像サイズとプリントサイズにピンと来ないユーザーであっても適切な画像サイズを選択することができる。

画素数、プリントサイズ、ピクセル数が順次表示される。
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