コンパクトデジタルカメラの分野では、いまや手ぶれ補正・被写体ぶれ軽減は必須機能となりつつある。前モデルとなる
μ710 でも高感度ISO撮影によりぶれ軽減に対応していたが、感度アップによる撮影はノイズの発生が避けられず、画質面での不満が残っていた。
今回紹介するμ750はμ710の後継機種となり、手ぶれ補正としてCCDシフト方式を搭載し画質への影響をクリア。このクラスでは数少ない光学5倍ズームも搭載している。
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ただ、手に持った印象としては μ710 と比較して特に大きくなった感覚はほとんどない。重量も従来の103グラムから120グラムと、17グラムアップしているが持ったときの印象は他社の同クラスのコンパクトデジタルカメラと比較しても充分軽い。かといって安っぽさはなく、ボディ前面は擦り加工が施された輝きのあるメタルで落ち着きがあり、クールな雰囲気を漂わせている。 |
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前面は曲線で処理された楔形で、左右の厚みが異なる独特の形状をしている。厚みの違いで持ちにくそうに感じられるが、右手で構えると厚みのある部分がグリップとなり、シッカリとホールドできる。ボディ側面は背面に向かって斜めに処理されているため、握りやすくポケットやケースにも引っかかりがなくスムーズに出し入れできる。 |
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また、μシリーズの特長である生活防水対応も健在。水しぶきや少しくらいの雨であればほとんど影響はない。本格的な水中撮影などには、専用の防水プロテクターが必要となる。 |
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カラーラインナップは、スカイブルー、サンセットレッド、ライムグリーン、スターリーシルバーの4色があり、今回はスターリーシルバーをお借りるすることができた。
ほかに限定5000台で、フィギュアスケーターの浅田真央さんが選んだカラーを採用したアイスピンクもある。こちらは限定デザインの本革製のカメラケースとストラップが付属するオシャレな印象のモデルで、女性にオススメだ。 |
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液晶モニターの解像度は21万画素で、μ710 の11.5万画素からパワーアップしている。視野角もある程度確保されていて、斜め方向からでも映っている内容の確認ができた。また、薄暗い環境でも被写体を確認できる「ブライトキャプチャー」機能を搭載している。しかし、晴天時の屋外では見づらいことがあり、液晶の明るさを一時的にアップできるなどの機能が欲しい。 |
ボタン類はズームレバー、モードダイヤル、十字ボタン、各種ボタンからなる。従来一体だった十字キーがパーツに分けられるなど、若干の変化はあるが操作性に大きな変更はない。
少し気になるのは、ボタン類と液晶モニターとの間に少しスペースが空いているので、キーのサイズを大きくしてもよかったのではないか。現状でも操作性が悪いわけではないが、余裕があるなら少しでもキーが大きいほうが操作性は向上するだろう。
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上部には電源ボタン、シャッターボタンと手ぶれ補正ボタンがある。シャッターボタンはほかのボタンに比べて大きく少し高さがあり、目視しなくても押し間違えることは少ないだろう。電源ボタンと手ぶれ補正ボタンのサイズが似ているが、手ぶれ補正は常にオンのまま利用することが多いと思われるので、慣れれば電源ボタンと押し間違えることも少ないだろう。
本体の底面には三脚用の穴があり、メモリーカード、バッテリーのセットも底から行い、カードカバーは防水用のゴムパッキンが施されている。位置関係から三脚にセットした場合、それらの交換には本体を三脚から外す必要がある。 メモリーカードは
xD ピクチャーカードを利用し、容量は最大1GBまで対応。本体にも約17MBのメモリーが内蔵されていて、最大サイズの 3072
× 2304 ピクセル(SHQ)で約5枚撮影することができる。 |
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レンズは新たに光学5倍ズーム、約36〜180ミリ(35ミリ換算)が搭載され、デジタルズームとの併用で28倍、約1000ミリまで対応できる。前モデルからボディサイズのアップをほとんど感じさせずに、最大5倍のズームが搭載されているのは魅力的。
最大ズーム時でも大げさにレンズ部分がせり出すこともなくスマートに利用できる。光学5倍ズームのコンパクトデジタルカメラとしては、世界最小・最軽量だ。(2006年8月現在)
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CCDシフトによるぶれ補正は、内蔵されているジャイロセンサーが、シャッターを押した瞬間のぶれ幅を感知して、ぶれと逆方向にCCDを瞬時に移動させて補正する。
他に手ぶれ補正にはレンズ駆動によるレンズシフト方式があるが、比較しても操作している上で大きな違いを感じることは特になかった。あえて手ぶれオンとオフを意識的に切り替えて撮影すると、わずかにモーターが駆動する感覚が感じられるが、あくまでも意識して感じる程度だ。 |