広角28mmレンズ、高感度ISO1600による被写体ぶれにも対応、
“パナソニック ルミックス DMC-FX01”

パナソニック [ http://panasonic.jp/ ]
LUMIX DMC-FX01
価格:オープンプライス 最新価格を調べる >>
発売日:2006年3月10日
コンパクトデジタルカメラの人気ランキングに、常連として顔を出しているのが LUMIX シリーズだ。特に FX シリーズは、そのコンパクトなボディとレンズ駆動による光学式手ぶれ補正で、歴代モデルを通じて人気が高い。
その FX シリーズが、高感度被写体ぶれ補正と広角28mmズームレンズを搭載し、DMC-FX01 としてモデルチェンジされた。その最新モデルをお借りできたのでレビューしていこう。

さらに丸みが増して、カジュアルな雰囲気がアップ

まずは外観からチェック。
DMC-FX01 のカラーラインアップは、シルバー、ミスティピンク、エクストラブラック、パールホワイトの4色がある。今回お借りしたミスティピンクは、渋めのピンクで表面には光沢があり、ゴージャスさと落ち着きがある。本体のデザインは従来の DMC-FX9(以下、FX9) と比較すると大きな変化はないが、全体的に角の丸みが増してカジュアルな印象が強まった。
DMC-FX01 本体のサイズは奥行き 24.2mm、幅は 94.1mm で FX9 から変更はない。高さのみ従来の50.5mmから51.1mmに増えたが、この僅か1mm の変更だけで 28mm の広角ズームレンズと高感度被写体ぶれ補正を搭載したのは立派だ。重さは160g(バッテリー、メモリーカード含む)と、重量でも FX9 の155gから5gアップしているが、これも僅かなアップに収まっている。
DMC-FX01 はレンズは歪みが少ない LEICA DC VARIO-ELMARIT(ライカ DC バリオ・エルマリート)を搭載し、光学ズームは3.6倍まで可能。さらに画像サイズは300万画素に限定されるが、ズーム部分だけを切り抜く EX 光学ズームなら5倍、EX光学ズームとデジタルズームの併用で最大20倍ズームまで対応している。
次に背面を見ていこう。
DMC-FX01 の背面には、2.5型液晶モニターを搭載し、操作ボタンは少なくスッキリとしている。
液晶モニターは、FX9 と同様に低温ポリシリコンTFT の 20.7万画素で視認性も良くきめ細かい。明るさも充分で、見づらくなりがちな日差しが強い屋外でも、ワンボタンで明るさを2倍にアップできる「パワー LCD」も搭載している。さらに今回は下方向からの視認性を改善する「ハイアングル」モードを新たに搭載している。
正面、横方向からではクッキリ見える液晶モニターも、腕を伸ばして高い位置でカメラを構えた時に、下からの目線では明暗が反転してしまって見えにくくなる。そんな場合に [LCD MOODE] ボタンを長押して、「パワー LCD」よりもさらに明るさを上げることで視認性をアップできるのが「ハイアングル」モードだ。実際の使い勝手を考えた、気の利いた機能だ。
そうなるとさらに欲が出てしまうもので、逆に上からの目線では同様に視認性が悪くなるので、子供やペットの目線に対応する「ローアングル」モードも欲しくなる。
ノーマルモード 下方向からの目線では明暗が反転してしまい見えづらい。 ハイアングルモード 液晶モニターの明るさを一時的にアップさせることで、正常な明暗で確認できる。
DMC-FX01 のボタン類は従来の各機能が独立していた十字方向キーから、丸い一体型に変更された。各機能のアイコンは艶消しの表面に艶ありで処理されているので、よほど酷使しないかぎり擦れて消えることはないだろう。見た目にもメタリック感が増したことで、背面からのスタイルも高級感が増している。

DMC-FX01 本体上部の撮影モード切替のモードダイヤル、手ぶれ補正ボタン、シャッターボタン、ズームレバー、スライド式の電源スイッチも大きな変更はない。

バッテリー、SDメモリーカードは底面から挿入する。三脚用の穴が端に寄っているため、お手軽なミニミニ三脚では重心が気になるが、固定したままのバッテリー、メモリカードの交換ができるのは有り難い。


また、DMC-FX01 の電源関連は省電力化が図られ、撮影可能枚数は FX9 の約270枚から50枚ほどアップし、約320枚(CIPA準拠※)となっている。これは 6M(2816×2112)サイズで1GBのSDメモリーカードに満杯まで撮影できる数値だ。1日に100枚撮影したとして、2泊3日の旅行でも予備バッテリーは必要ないだろう。どうしても気になるならバッテリーチャージャーを持参すれば充分だ。
※CIPA規格:カメラ映像機器工業会(Camera & Imaging Products Association)が定める電池寿命測定方法についての統一規格。

より広い範囲が撮れる、広角28mm(*)ズームレンズを搭載

次に DMC-FX01 のポイントのひとつである28mmズームレンズを見てみよう。
カメラのレンズには「焦点距離」というのがある。これはレンズの中心点からレンズが像を結ぶ点(焦点)までの距離をことを指し、「mm」で表す。この距離が長いほど被写体は大きく写り(望遠)、短いほど小さく写る(広角)。デジタルカメラはCCDのサイズによって焦点距離が異なるので、35mmフィルムの焦点距離に換算して表す。

簡単に言うと DMC-FX01 の広角側 28mm は FX9 の35mmに比べて、広い範囲を撮影することができるということだ。例えば、被写体に対して距離を取れない狭い室内や、風景写真でも広がりのある撮影が可能だ。撮影の感覚としては、普段よりも後ろに引いたように感じるかもしれないが、逆に「この範囲まで入れたいな…」と思う範囲まで収まってくれるのは気持ちがいい。
(*35mmフィルム換算)
一般的なデジタルカメラで撮影。焦点距離は 35mm。 同じ位置から DMC-FX01 の広角側 28mm で撮影。

さらに、DMC-FX01 にはアスペクト設定(画面比率)に 通常の [4:3] 以外に、35mm フィルムと一致する [3:2]、ハイビジョンテレビと一致する [16:9] がある。
これらは高さがカットされるため、選択できる画素数は制限されるが、 [16:9] は 28mm レンズの効果と相まってさらなる広がりが感じられる。
一般的なデジタルカメラで撮影できる範囲。
焦点距離は、35mm。
同じ位置から DMC-FX01 の広角側 28mm 、アスペクト設定 [4:3] で撮影。
同じ位置から広角側 28mm 、アスペクト設定 [3:2] で撮影。35mmフィルムと同じ比率。 同じ位置から広角側 28mm 、アスペクト設定 [16:9] で撮影。ハイビジョンテレビの比率と一致。
今後、コンパクトデジタルカメラで広角ズームレンズの流れが起きるかどうか判らないが、同様に28mmズームレンズを搭載するモデルをラインアップするリコーと共に盛り上げて欲しい。

デジタルズームと異なり、高画質なズームが可能な「EXズーム」

一般的なデジタルズームは、画像の中央部分を拡大処理しているため、画像にボケが生ずる。これに対して DMC-FX01 が搭載する「EX光学ズーム」は、ズーム部分だけを切り抜くことでズームアップしたような効果が得られる。そのため画質の劣化は起きないが本来の画素数からの切り抜きとなり、画像サイズは小さくなる。
メニューの [記録画素数] 項目では、画素数を下げることで4.1倍までのズームが可能となる。
さらにデジタルズームでは最大で4倍までのズームが可能で、EX光学ズームと併用することで最大16.4倍のズームが可能となる。ただし、この場合はデジタルズーム(拡大処理)の影響も受けるので画像の劣化を伴う。
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