リコーのデジタルカメラを、本サイトで取り上げるのは今回が初めてだが、リコーはカメラメーカーとしての歴史は古く、アナログカメラはもとより、デジタルカメラでも黎明期から積極的に製品を発表してきた。
現在のラインアップはスタンダードとなる
Caplio R シリーズと、プロフェッショナル向けの
GR DIGITAL シリーズで製品数は限られるが、いずれも根強いファンが多い。
特に GR DIGITAL シリーズは、コンパクトデジタルカメラにも関わらず RAW 形式での撮影ができるなど、ハイアマチュアからプロまで幅広く支持されている。
今回ご紹介する Caplio R7 はスタンダードのラインだが、非常に多機能で見どころも多い。
では、それら注目の機能を中心に見ていこう。
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それぞれは擦り加工、光沢加工、艶消しと表面の処理も異なる。
シャッターボタン周辺から背面にかけては、後方へ緩やかなうねりのあるデザインで、グリップになっている。
手に持った印象としてはホールド感は悪くないものの、重心が少し左に傾くような感覚がある。電源オンでレンズがせり出すと、重心も前方へ移動する感じだ。右手だけで構えると、少し手首に力が入るのを意識する。
これはおそらく高倍率ズームの搭載によって、重心がレンズ部分に集中しているのではないだろうか。どんなカメラでも両手で構えるのが基本だが、Caplio R7 では特に両手でのホールドを心がけた方が良さそうだ。 |
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ボディカラーは今回お借りしたシルバーのほかに、ブラックとオレンジもラインナップされている。カラーが異なるのは前面だけで、いずれのモデルも背面はブラックになっている。
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上部には電源ボタン、モード切替スイッチ、ズームレバー、シャッターボタンなどが並ぶ。
電源ボタンは小さく凹凸感も少ないので、若干押しづらく感じられた。またモード切替スイッチも小さめで、ツメで引っ掛けると切り替えできるが、指の腹だと滑って切替にくいこともあった。
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レンズは広角28mmから200mm(35mm判カメラ換算)までの、光学7.1倍ズームを搭載する。先にも書いたようにレンズの存在感はあるが、本体の奥行きが23.3mmに抑えられているのは驚かされる。
コンパクトデジタルカメラでは「もう少し広く撮れれば…」「もう少し寄って撮れれば…」という場面が良くあるが、これら期待に充分応えてくれる。
CCD は1/2.5型、有効815万画素を搭載している。 |
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背面は再生モードボタン、十字方向キーなどが並び、Caplio R7の特長の一つであるADJ.(アジャスト)ボタンがある。
構えたときに親指の当たる部分は滑り止めのゴムが採用され、グリップ感は高い。
液晶モニターは、解像度約23万画素の2.7型を搭載している。上下左右にほぼ水平に近い状態まで傾けても、明暗が反転することもなく視野角は広い。撮影時に [DISP.] ボタンを押し続けると、画面の明るさが最大になる。 |
再生モードの画像表示では、直線や細いラインがある画像では液晶のドットと干渉してモアレや、ジャギー(ギザギザ)が現れやすかった。特に画像の全体表示ではシャープネスがかかったようにギラギラして見えることもある。
撮影モードのスルー表示では気にならず、もちろん撮影データにも影響はない。おそらく縮小表示のピクセル補間の関係かもしれないが、店頭で試しに触ってみて、撮影画像がギラギラしていると勘違いされたら残念だ。
ボタン類は全体的に小さめで、方向キーと中央の [MENU/OK] ボタンは高さの差も小さいため、メニュー画面で項目を移動するつもりが、OK を押してしまうなど誤操作することが何度かあった。
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バッテリーとメモリーカードは本体の底面から挿入する。最大2GBのSDメモリーカードと、4GBのSDHCメモリーカード、マルチメディアカードに対応する。
本体には24MBの内蔵メモリーが搭載され、最大サイズの 3264×2448 ピクセルで約7枚、L判プリントサイズ相当の1280×960ピクセルであれば、約58枚の撮影が可能だ。
バッテリーを挿入して気が付いたが、バッテリースロットとバッテリーのすき間に、約1mm程度の空間がある。使用中にガタつくことはないものの、純正バッテリーではないような違和感をあった。反面、スペース的にバッテリーの厚みを増やせる余裕があるということで、将来的なモデルチェンジでは撮影枚数アップも期待できる。
側面カバーを開けると、付属のUSBケーブルを接続できるUSB端子が用意されている。また、付属のAVケーブルによるテレビ出力用のAVアウト端子も装備している。カバーは開いた状態でもブラブラすることなく、ヒンジがしっかりしている。 |
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マイセッティングモードは画像サイズ、フォーカス、露出補正、ISO感度など27項目のセッティングを自分好みの設定で登録して、オリジナルの撮影モードとして利用することができる。最大2つのセッティングを登録可能だ。セッティングの登録は簡単で、使っている現在の状態をそのまま登録することができる。
ただし、各種設定の性質を理解していなければ、状況に応じた最適な設定はできないので、中級向けのカスタマイズモードと言える。
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様々なシチュエーションに最適な設定で撮影できるシーンモードは、[ポートレート] [フェイス] [スポーツ] [遠景] [夜景] [高感度] [ズームマクロ] [白黒] [セピア] [斜め補正] [文字] [動画] の12種類で、最近のコンパクトデジタルカメラとしては控えめな数だ。
そんな中でも斜め補正モードはユニークで、斜め方向からの撮影でも、変形によって遠近感を補正できる。撮影時に遠近感のあるラインを自動検出して、それが水平垂直になるよう変形し、補正前と後の2枚を記録する。
斜め補正は、再生モードの編集機能としても利用可能で、撮影済みの画像に対しても適用できる。
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シーンの選択画面はアイコンが小さく、シーンモード数が少ないこともあって地味な印象を受ける。
これでもユーザーには伝わるとは思うが、表示スペースに余裕があるので、アイコンを大きくしたり、各シーンに対してのガイド解説を追加するなど、もう少し親しみやすいアプローチがあっても良いと思う。 |
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これはクリックと上下左右の移動操作が可能なジョイスティックで、露出補正やホワイトバランスなどの設定をダイレクトに呼び出して操作することができる。
呼び出す機能はカスタマイズ可能で「露出補正」「ホワイトバランス」「ISO」「画質」「フォーカス」「シャープネス」「測光方式」「連写」「オートブラケット」の中から、最大4つまで設定できる。 ADJ. ボタンは小振りだがクリック感はよく、ボタンを倒しての上下左右移動もスムーズだ。
便利な ADJ. ボタンだが、利用できるのは上記機能の設定時と、その他の一部機能の切替のみに限られる。
撮影設定やセットアップ画面、再生モードでも操作できるかと思って、ADJ. ボタンを動かしても反応しないことが多く、丸い方向キーと使い分けなければならないのはややこしく感じられた。 |
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ジョイスティック感覚で扱える ADJ. ボタンの操作性は快適で、ボタンのサイズを大きくしてメインの方向キーとしてもよいと思う。