オリンパス μ1030SW レビュー

水深10m、2.0m落下テスト、耐100kgf対応のタフな
コンパクトデジカメ“オリンパス μ1030SW”

 オリンパス [ http://www.olympus.co.jp/ ]
 μ [ミュー] 1030SW
 価格:オープンプライス 最新価格を調べる >>
 発売日:2008年3月中旬
オリンパスの「μ(ミュー)」シリーズは、過去のモデルを通じて生活防水に対応するなど、防水機能では老舗的な存在だ。
今回はそのμシリーズの中でも、防水・防塵機能ではトップクラスのμ1030SWを取り上げる。
前回のOptio W60に続き防水デジカメ第二弾となるが、μ1030SWの特長を踏まえつつレビューしていこう。

やや大柄で、タフさが溢れるメタルボディ

まず、外観からチェック。
本体はズームレンズが本体内部で垂直に駆動する、屈曲光学系を採用した平面的なボディ。
μ1030SWは高さ2.0mからの落下衝撃と、100kgfの加圧に耐えることができる。内部の基盤を守るための二重構造や、衝撃吸収材の採用により、やや大柄なボディだ。前面のビス止めされたパネルがプロテクターのようで質実剛健な印象を高めている。
本体カラーはお借りしたメタルシルバーのほか、メタルブラック、メタルグリーンがある。
前面・背面のフレーム部分がステンレス、それ以外のほとんども衝撃やキズに強い金属製のため、重要も173g(電池・カード含まず)と重く、手に持つと見た目のイメージ以上にズッシリしている。
前回レビューしたOptio W60が、逆に樹脂を多用した軽量モデルだったので、同じ防水デジカメでも、アプローチの仕方が異なる。
ズボンのポケットに入れるには、やや気になるサイズなので、デジカメケースに入れて腰から下げる方がよいだろう。
レンズが上ギリギリにレイアウトされているため、何気なく構えたときに、レンズに指が被ることがあったので注意が必要だ。
また、細かいことだがメタルシルバーモデルは、前面パネルが少し曇った鏡のようで、屋外では太陽光がパネルに反射して、撮影される側を眩しくさせないかと気になった。あったとしても、ごく限られた状況だと思われるが。
上部にあるのは電源ボタン、シャッターボタンのみ。シャッターボタンは大きく、クリック感もあって押しやすい。

レンズは光学3.6倍ズームレンズを搭載し、ズーミングによる繰り出しがない屈曲光学系を採用。広角28mmを採用し、焦点距離は 35mmカメラ換算で28mm〜102mm をカバーする。
画像の中央部分を切り抜いて望遠効果が得られる「ファインズーム」機能を搭載する。

レンズには開閉するシャッター式のレンズカバーがあり、ホコリなどの侵入を防ぐことができるが、砂などが付着したまま開閉すると、レンズのキズや故障に繋がりそうで少し心配だ。砂やホコリのある環境での利用後には、水洗いによるメンテナンスを心がけた方がよいだろう。

撮像素子は1/2.3型 CCDを搭載し、有効1010万画素、最大画像記録サイズ3648×2736ピクセルとなる。

次に背面を見ていこう。
背面には2.7型液晶モニターと、各種操作キーがレイアウトされている。
液晶モニターは、解像度23万画素のハイパークリスタル液晶モニターを搭載。
大柄なボディからすると、3.0型モニターの搭載を望みたいところだが、耐衝撃構造のためスペース的に難しいのだろう。液晶モニターの視野角は広く、ほぼどの方向からでも表示内容を確認することができる。
暗い場所では液晶モニターの明るさが自動的にアップする、「ブライトキャプチャー」機能を搭載する。
ボタン類はズームレバー、モードダイヤル、上下左右方向キー、各種ボタンからなる。
モードダイヤルは本体よりも少し出っ張っており、溝も付いているので濡れた手でも回転しやすい。
再生モードはモードダイヤルの切替のほか、再生モードボタンも用意されているので、即座に撮影・再生モードを行き来することができる。

メモリーカード、バッテリーは底面から挿入する。メモリーカードは、2GBまでの xD-ピクチャーカード(TypeH/M、Standard)に対応する。

本体にも約14.7MBのメモリーが内蔵されており、最大画像サイズの10M(3648×2736ピクセル)で3枚、L版プリントサイズ相当の2M(1600×1200ピクセル)で15枚の撮影が可能だ。

また、パッケージにはmicroSDカードをxD-ピクチャーカードとして利用できる、microSDアタッチメントが付属。
撮影中にxD-ピクチャーカードの容量が一杯になった場合に、応急処置として携帯電話のmicroSDカードを利用できる。また、始めから手元に余っているmicroSDカードをxD-ピクチャーカードの代わりとして利用しても良いだろう。
底面のメモリーカード / バッテリースロットカバー、側面のUSB端子カバーは不用意に開かないようにレバーが付いている。いずれのレバーも大きく操作しやすく、バネの作用によってカバーが自動的に開き、扱いやすい。
普通、樹脂が使われることが多い底面のメモリーカード / バッテリースロットカバーも、耐衝撃のため金属製で丈夫そうだ。
また、カバーの内側には防水・防塵のための黒いゴムパッキンが施されている。
電源ONの状態でそれらカバーを開くと、閉めるときに砂などの異物が挟まらないよう警告が表示される。
異物が挟まったままカバーを無理に閉じると、カバーが僅かに浮いてしまい、すき間から水が侵入することがあるので注意が必要だ。

水中10m防水&防塵、落下・耐荷重などオールラウンド設計

μ1030SWを選択する理由の一番は、やはり防水&防塵設計だろう。

μ1030SWが対応する防水&防塵性能は、防水が「JIS/IEC 保護等級8級(IPX8)」相当で、水中撮影用ハウジングと同等で水中で動作が可能。μ1030SWは、水深10mまで対応する。
防塵は「IS/IEC 保護等級6級(IP6X) 」相当で、本体内へ粉塵が入らないことを意味する。また、2.0mの高さからの落下テストをクリアし、耐荷重として100kgf(キロ・グラム・フォース)にも耐えられる。

今回、川辺でμ1030SWを水に濡らしながら撮影を試してみたが、水やホコリなどを気にせず撮影ができたことで、いろいろな撮影を試すことができた。

例えば、左写真のようにレンズ部分が、半分ほど水に浸かった状態の撮影でも支障はなく、魚か昆虫が水面から覗いているようなユニークな写真を撮ることができた。このような構図での撮影は、非防水デジカメでは不可能だ。

撮影中に気が付いたことがある。それは液晶モニターの角度だ。液晶モニターは先にも述べたように、視野角が広いので、ほぼどの方向からでも確認しやすい。しかし、膝下くらいの浅い海や川で水中撮影をするローアングルでは、液晶モニターを覗くことができない。覗こうとすれば、自分も体勢を低くして水に濡れることになる。やむを得ずカメラを水中に沈め、適当な構図でシャッターを切ることになり、意図した絵が得られるには何枚も撮影する必要があった。

そこで、自由な体勢を実現しようとすれば、液晶モニターの角度を自由に変えられる、バリアングルモニターが欲しくなる。
μ1030SWのようなアウトドアに強いデジカメにこそ、バリアングルモニターが搭載されれば、より面白い構図の写真が撮れるのではないだろうか。

また、Optio W60同様、底面のメモリーカード / バッテリースロットカバー内へ砂が入ることがあった。カバー内部にはゴムパッキンがあるので、内部まで砂は侵入しておらず動作にも支障はなかったが、カバーを開けた時に蝶つがいのあたりから砂がパラパラと出てきた。水辺での利用の後は水気を拭き取り、ブロアーブラシなどで砂も除去するよう心がけた方が良いだろう。
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