オリンパスの「μ(ミュー)」シリーズは、過去のモデルを通じて生活防水に対応するなど、防水機能では老舗的な存在だ。
今回はそのμシリーズの中でも、防水・防塵機能ではトップクラスのμ1030SWを取り上げる。
前回の
Optio W60に続き防水デジカメ第二弾となるが、μ1030SWの特長を踏まえつつレビューしていこう。
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前面・背面のフレーム部分がステンレス、それ以外のほとんども衝撃やキズに強い金属製のため、重要も173g(電池・カード含まず)と重く、手に持つと見た目のイメージ以上にズッシリしている。
前回レビューしたOptio W60が、逆に樹脂を多用した軽量モデルだったので、同じ防水デジカメでも、アプローチの仕方が異なる。
ズボンのポケットに入れるには、やや気になるサイズなので、デジカメケースに入れて腰から下げる方がよいだろう。
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上部にあるのは電源ボタン、シャッターボタンのみ。シャッターボタンは大きく、クリック感もあって押しやすい。
レンズは光学3.6倍ズームレンズを搭載し、ズーミングによる繰り出しがない屈曲光学系を採用。広角28mmを採用し、焦点距離は 35mmカメラ換算で28mm〜102mm をカバーする。
画像の中央部分を切り抜いて望遠効果が得られる「ファインズーム」機能を搭載する。
レンズには開閉するシャッター式のレンズカバーがあり、ホコリなどの侵入を防ぐことができるが、砂などが付着したまま開閉すると、レンズのキズや故障に繋がりそうで少し心配だ。砂やホコリのある環境での利用後には、水洗いによるメンテナンスを心がけた方がよいだろう。
撮像素子は1/2.3型 CCDを搭載し、有効1010万画素、最大画像記録サイズ3648×2736ピクセルとなる。 |
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液晶モニターは、解像度23万画素のハイパークリスタル液晶モニターを搭載。
大柄なボディからすると、3.0型モニターの搭載を望みたいところだが、耐衝撃構造のためスペース的に難しいのだろう。液晶モニターの視野角は広く、ほぼどの方向からでも表示内容を確認することができる。
暗い場所では液晶モニターの明るさが自動的にアップする、「ブライトキャプチャー」機能を搭載する。 |
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モードダイヤルは本体よりも少し出っ張っており、溝も付いているので濡れた手でも回転しやすい。
再生モードはモードダイヤルの切替のほか、再生モードボタンも用意されているので、即座に撮影・再生モードを行き来することができる。
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メモリーカード、バッテリーは底面から挿入する。メモリーカードは、2GBまでの xD-ピクチャーカード(TypeH/M、Standard)に対応する。
本体にも約14.7MBのメモリーが内蔵されており、最大画像サイズの10M(3648×2736ピクセル)で3枚、L版プリントサイズ相当の2M(1600×1200ピクセル)で15枚の撮影が可能だ。
また、パッケージにはmicroSDカードをxD-ピクチャーカードとして利用できる、microSDアタッチメントが付属。
撮影中にxD-ピクチャーカードの容量が一杯になった場合に、応急処置として携帯電話のmicroSDカードを利用できる。また、始めから手元に余っているmicroSDカードをxD-ピクチャーカードの代わりとして利用しても良いだろう。 |
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底面のメモリーカード / バッテリースロットカバー、側面のUSB端子カバーは不用意に開かないようにレバーが付いている。いずれのレバーも大きく操作しやすく、バネの作用によってカバーが自動的に開き、扱いやすい。
普通、樹脂が使われることが多い底面のメモリーカード / バッテリースロットカバーも、耐衝撃のため金属製で丈夫そうだ。
また、カバーの内側には防水・防塵のための黒いゴムパッキンが施されている。
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電源ONの状態でそれらカバーを開くと、閉めるときに砂などの異物が挟まらないよう警告が表示される。
異物が挟まったままカバーを無理に閉じると、カバーが僅かに浮いてしまい、すき間から水が侵入することがあるので注意が必要だ。
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μ1030SWが対応する防水&防塵性能は、防水が「JIS/IEC 保護等級8級(IPX8)」相当で、水中撮影用ハウジングと同等で水中で動作が可能。μ1030SWは、水深10mまで対応する。
防塵は「IS/IEC 保護等級6級(IP6X) 」相当で、本体内へ粉塵が入らないことを意味する。また、2.0mの高さからの落下テストをクリアし、耐荷重として100kgf(キロ・グラム・フォース)にも耐えられる。 |
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今回、川辺でμ1030SWを水に濡らしながら撮影を試してみたが、水やホコリなどを気にせず撮影ができたことで、いろいろな撮影を試すことができた。
例えば、左写真のようにレンズ部分が、半分ほど水に浸かった状態の撮影でも支障はなく、魚か昆虫が水面から覗いているようなユニークな写真を撮ることができた。このような構図での撮影は、非防水デジカメでは不可能だ。
撮影中に気が付いたことがある。それは液晶モニターの角度だ。液晶モニターは先にも述べたように、視野角が広いので、ほぼどの方向からでも確認しやすい。しかし、膝下くらいの浅い海や川で水中撮影をするローアングルでは、液晶モニターを覗くことができない。覗こうとすれば、自分も体勢を低くして水に濡れることになる。やむを得ずカメラを水中に沈め、適当な構図でシャッターを切ることになり、意図した絵が得られるには何枚も撮影する必要があった。
そこで、自由な体勢を実現しようとすれば、液晶モニターの角度を自由に変えられる、バリアングルモニターが欲しくなる。
μ1030SWのようなアウトドアに強いデジカメにこそ、バリアングルモニターが搭載されれば、より面白い構図の写真が撮れるのではないだろうか。 |
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また、
Optio W60同様、底面のメモリーカード / バッテリースロットカバー内へ砂が入ることがあった。カバー内部にはゴムパッキンがあるので、内部まで砂は侵入しておらず動作にも支障はなかったが、カバーを開けた時に蝶つがいのあたりから砂がパラパラと出てきた。水辺での利用の後は水気を拭き取り、ブロアーブラシなどで砂も除去するよう心がけた方が良いだろう。