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シチュエーションに合わせて最適な設定が自動で行えるSCENE(シーン)モードとして、[ポートレート] [風景] [風景&人物] [夜景] [夜景&人物] [スポーツ] [屋内撮影] [キャンドル] [自分撮り] [寝顔] [夕日] [打ち上げ花火] [料理] [ガラス越し] [文書] [オークション] [ショット&セレクト1] [ショット&セレクト2] [ビーチ&スノー] [プリキャプチャームービー] [水中スナップ] [水中ワイド1] [水中ワイド2] [水中マクロ] と数多くラインアップされている。SCENE(シーン)モードでは、各シーンの特長をサンプル写真と解説で参照できる。
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また、撮りたい写真の目的から最適な設定ができる、[GUIDE(ガイド)] モードも搭載している。
ガイドモードでは、2〜4画面のマルチ表示でズーム倍率や露出補正や色合いの違いなど撮影イメージを並べて、事前にシミュレーションしてから設定できる「パーフェクトショットプレビュー」機能が搭載されている。設定を変えながら撮り比べなくても、事前にモニターで違いを確認できるので便利だ。 |
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さらに顔検出と、逆光状態でも被写体を明るく補正する、[顔検出パーフェクトショット] も搭載する。顔検出パーフェクトショットの利用は、背面の顔検出パーフェクトショットボタンを押して、ON/OFFの設定ができる。
顔検出のみ利用したい場合は、撮影メニューの [AF方式] で設定可能だ。
被写体を追い続ける追尾AFは搭載していないが、水中で魚を追いかけたり、波の影響で撮影する側が動いてピントや構図が変わってしまうこともあり得るので、追尾できれば重宝するのではないだろうか。 |
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μ1030SWは、マクロ機能も充実している。広角側で最短10cm、望遠側で最短30cmまで寄ることが可能で、[スーパーマクロ] モードでは最短2cmまで対応する。
スーパーマクロモードには、さらに [SマクロLED] モードがあり、シャッターボタンの半押しで、ストロボの横にあるLEDを発光させることができる。利用範囲は被写体との距離が7〜20cm程度で、ダイビングで太陽光が届きにくい深さでも、マクロ撮影に必要な光量を確保できる。
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前面のLEDは設定により、背面のワンタッチライトボタンの操作で、撮影時以外でも最長90秒間点灯することができる。本体が電源オフの状態でも利用できるので、ちょっとした明かりが欲しいときにも利用可能だ。
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海や山などアウトドアでの利用を想定した、μ1030SWならではの機能がある。「圧力センサー」がそれで、撮影時に気圧と標高・水深(-10m〜5,000m)を表示できるほか、再生モードでも確認することができる。
気圧は「ヘクトパスカル(hPa)」単位表示、標高・水深は「m(メートル)」「ft(フィート)」単位表示が選択できる。
それら情報はパソコンに取り込んでも、Exifデータとしては引き継ぐことができない。どうしても引き継ぎたい場合は、独自情報を手作業でも追加できる画像管理ソフトを使って入力するなど、ユーザー側で工夫が必要だ。
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編集機能も豊富で、サイズ変更や切り抜きのほか、逆光補正や赤目補正が手軽にできる [かんたん補正] 機能がある。また、画像の変化を見比べながら補正できるカラー編集や、カレンダー合成などが利用できる。
さらに、気に入った静止画像を本体内へ最大9枚まで保存することができる、[ポケット写真] 機能がある。
保存した画像の閲覧は、モードダイヤルの [★] から可能で、地図や時刻表を撮影して登録するなど、メモ代わりに利用できる。
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バッテリーはリチウムイオン充電池 LI-50Bを使用する。付属のバッテリーチャージャーで、約2時間でフル充電が可能だ。フル充電での撮影可能枚数は、約260枚(※CIPA規格準拠)となっている。
水やホコリのある状況では、底面のメモリーカード / バッテリースロットカバーの開閉はあまりやりたくないので、1日での撮影を考えれば不足のない枚数だろう。
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本体の他に、バッテリーLI-50B、バッテリーチャージャー、ACケーブル、microSDアタッチメント、USBケーブル、専用AVケーブル、ストラップ、ソフトウェア「OLYMPUS
Master 2」、説明書が付属する。 |
※CIPA規格:カメラ映像機器工業会(Camera & Imaging
Products Association)が定める電池寿命測定方法についての統一規格。
μ1030SWの特長は、なんといっても防水・防塵機能と、耐荷重機能によるボディのタフさだ。
今回のレビューではお借りした機器でもあるので、落下テストなどを実際に試すことはなかったが、金属でカバーされたボディと、その重量感からもμ1030SWのタフさは充分感じ取れた。
機能的な面では、望遠がもう少し長ければ…、手ぶれ補正が光学式であれば…と、多少不満に感じる部分もあるが、その他の機能ではクサビ形のμシリーズと比較しても、ほぼ同等の機能を備えている。μ1030SWが防水・防塵・耐荷重であることを踏まえれば、満足できるだろう。
アウトドアに特化したμ1030SWだからこその、今後への期待もある。
それは新しいインターフェイスの採用だ。
iPhoneや、最近の携帯電話は直感的に操作できるタッチパネルや、振って操作する重力センサーなど、新しい操作の仕組みが採用されつつある。μ1030SWの場合、水中での操作や冬のゲレンデで手袋をしたまま操作しなければならないこともある。
非日常的な環境での利用に特化したμ1030SWだからこそ、それら新しいインターフェイスが活かせるシーンがあるのではないだろうか。
水や圧力など周囲の環境によって、うまく動作しないといった問題もあるだろうが、防水・防塵デジカメは、ある意味特別なデジカメなのでインターフェイスが特別であっても良いと思う。
さて、本格的な水中撮影ができる防水デジカメとして、前回レビューしたOptio W60と本機とで購入を迷っているユーザーもいるだろう。両者を触れた感想を極めて簡単に表現するなら、「軽さのOptio W60」と「タフさのμ1030SW」というところだ。
Optio W60はコンパクトなボディで、ジーンズのポケットに入れても気にならない。μ1030SWは少し大柄でお尻のポケットに入れると気にはなるが、座ったときに受ける圧力にも耐えられる強さがある。
水深性能はμ1030SWの方が勝るが、どの程度の水深まで必要とするかはユーザーが利用する環境によって大きく異なる。
最終的には店頭で両者を触って判断して欲しいのだが、Optio W60と比較しなくても、防水・防塵・耐荷重機能など、μ1030SWの特長を生かせるシチュエーションが、自分の利用シーンにどの程度ハマるのか、見極める必要があるだろう。