手ぶれ補正機能を搭載するコンパクトデジタルカメラの中でも、いちはやくレンズ駆動による光学式手ぶれ補正を採用していたのは
LUMIX シリーズだ。
その手ぶれ補正には、2つのモードがある。
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[MODE 1] は、常時補正を行うため撮影時以外でも液晶モニターに映し出される映像が見やすい。[MODE 2] はシャッターが切れる瞬間だけ補正を行う。
そしてここ1、2年で手ぶれ補正に追随するメーカーは増え、
ISO 感度のアップによる高感度手ぶれ補正を採用する機種が多かった。
ISO
感度アップでの撮影はノイズが発生するため、光学式手ぶれ補正を採用する LUMIX シリーズには大きなアドバンテージがある。しかし、高感度によるメリットは手ぶれ補正だけでなく被写体のぶれにも対応するため、高画質で手ぶれを補正するものの、被写体ぶれには対応しない
LUMIX シリーズは物足りなく感じさせる状況となっていた。
そんな中、
DMC-FX01 でも ISO 感度アップによる被写体ぶれにも対応した。 |
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DMC-FX01 の多彩な撮影環境に対応するシーンモードには新たに [高感度] モードが搭載され、状況に応じて ISO
感度が 800〜1600 に変化して被写体ぶれを抑えてくれる。ただし、高感度での撮影はシーンモードの [高感度] モードのみで、他の撮影モード中に手動で利用できるのは
ISO 400 までだ。
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シーンモードは、[人物]
[美肌] [風景] [スポーツ] [夜景&人物] [夜景] [自分撮り] [料理] [パーティー] [キャンドル] [花火]
[星空] [赤ちゃん1] [赤ちゃん2] [雪] [高感度] [水中] の18種類が利用できる。
[赤ちゃん] モードは誕生日をセットすると、
再生時に「何ヵ月何日」というように、月齢や年齢を表示できる。これは FX9 でも可能だったが、DMC-FX01 では2つに増え、赤ちゃんを2人まで設定可能となった。
また、あらたに [水中] モードも追加されたが、この利用には水中撮影に対応する、専用の別売オプションであるマリンケースが必要だ。
それらシーンモードでは撮影時のポイントを解説文で参照することができる。FX9 では、いまひとつその存在が判りにくかったが、DMC-FX01
では他の設定メニューの表示ルールと同じく、シーンメニューから右に進む構造になったことで説明文が見つけやすくなった。 |
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さらに手軽に設定可能なのが「かんたん」モードだ。画像サイズをプリントする用紙のサイズから選択できるなど、デジタルカメラ初心者や
LUMIX シリーズ初心者でも判りやすい。 |
画質に関しては、日陰や屋内での撮影ではわずかにカラーノイズが発生してザラつきを感じることがあるが、全体的には良好だ。飛び抜けて高画質というわけではないが、画像の細かさで不満を感じることはないだろう。
FX9 では蛍光灯下での撮影において、ホワイトバランスが適応しきれていないようで緑っぽさが気になったが、DMC-FX01 では改良されている。ただ、緑っぽさは抑えられたものの、逆にマゼンタぽい印象を受けることがある。DMC-FX01
も FX9 同様に、蛍光灯下でもオートホワイトバランスで対応しようとしているが、カメラ側の判断が実際の環境と合わないことがあるようだ。
ひとくちに蛍光灯といっても発色には数種類あるし、全ての環境で試したわけではないが、他社のデジタルカメラでは、それら蛍光灯の微妙な色の違いに対応する数種類の蛍光灯モードを備えている機種もあるので、何らかの形で対応して欲しいところだ。
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縦方向で撮影された画像は撮影直後のプレビューや、再生モードでの閲覧時に90度回転されて表示される。
また、撮影モード中でも十字キーの下方向を押すことで、撮影画像をプレビューすることができる。 |
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再生モードではズームレバー操作により、9、16、25画面の画像一覧表示が可能で、さらにカレンダー表示が可能となった。撮影した日付が把握しやすいので、日記代わりに振り返りながら楽しむことができる。 |
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DMC-FX01 には、コンパクトなバッテリーチャージャーが付属する。ケーブルが付属しないので、旅行への携帯も便利だ。フル充電に必要な時間は約130分で、FX9
から変更はない。
本体側面には、付属のUSBケーブルを接続できるUSB端子が用意されているので、パソコンとの接続や PictBridge
に対応したプリンターに接続して直接プリントも可能だ。また、付属のAVケーブルによるテレビ出力の端子としても利用できる。
同じ場所にオプションのACケーブルが接続できる端子もあるが、ACケーブルを接続しても本体での充電はできない。このあたりも FX9
から変更はない。 |
USB端子(上)と電源端子(下) |
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本体の他に、16MB SDメモリーカード、USBケーブル、バッテリー、バッテリーケース、バッテリーチャージャー、AVケーブル、ストラップ、ソフトウェア、説明書が付属する。 |
コンパクトデジタルカメラの市場が頭打ちといわれる中にあって、DMC-FX01 は魅力的な機能を積極的に取り込んでいる姿勢が感じられる。FX
シリーズの光学式手ぶれによるこれまでの優位性に加え、高感度被写体ぶれ補正の対応など、現在の市場でユーザーが求めている機能をよく理解して搭載してくるタイミングも早い。
逆に広角ズームレンズは、ユーザーからの要望としてどの程度あったのか判らないが、ある種ベテラン受けするところなのでメーカーからユーザーへの提案とも受け止められる。というのもカメラに詳しくないユーザーは、広角よりも望遠の倍率を重視しがちだからだ。そして、画像演算処理や編集機能といったデジタルな提案ではなく、広角というある意味でアナログ的な提案であることも興味深い。
広角の面白さは、いつもと同じ構え方をしても広がりのある構図での撮影ができるところだ。一度、広角の面白さを体感してしまうと、一般的なコンパクトデジタルカメラでは物足りなく感じてしまうかもしれない。実際、お借りしていた
DMC-FX01 を返却後、いつも使っている他社のコンパクトデジタルカメラを使っていると、「DMC-FX01 なら、もう少し広がりがでるのに…」と感じることもあった。
気になるのは、広角での撮影の面白さは屋外など実際の撮影では実感できるのだが、店頭でどの程度ユーザーに伝わるかということだ。実際の面白さに比べて「広い範囲が写る」だけでは、どうしても地味に聞こえてしまう。
ただ、もしも広角の良さが伝わりにくかったとしても、手ぶれ・被写体ぶれ補正や約320枚撮影可能なバッテリー、豊富なシーンモードなど充実した機能をたくさん備えているので心配はいらないだろう。
はじめの話に戻ることになるが、DMC-FX01 はそれらユーザーが注目する箇所に、ひとつひとつ答えている満足度の高い一台に仕上がっている。
唯一、ホワイトバランスの精度に不満は残るが、この春にコンパクトデジタルカメラの買い換えを考えているなら、DMC-FX01 はかなり有力な候補になるだろう。そして、過去の
FXシリーズ 同様に人気機種になるのは間違いない。